「速筋タイプ」と「遅筋タイプ」を見分ける方法

まずはざっくり結論

  • 短距離が得意 → 速筋(Type II)優位の可能性

  • 持久走が得意 → 遅筋(Type I)優位の可能性

  • 実際の筋肉は両タイプが混在。先天的比率の影響はあるが、トレーニングで性能は大きく変えられる


かんたん自己チェック(フィールドテストの目安)

※精密検査ではなく「傾向」をみる簡易法です。

  • 50m全力疾走の平均速度と、12分走(Cooper)での平均速度を測る
    50m速度 ÷ 12分走速度 の比が低いほど速筋寄り高いほど遅筋寄り
    目安として、日本人では遅筋が優位な人が多いと言われます。数値は体力・練習歴で変わるため、あくまで参考指標として使いましょう。

  • 追加指標(任意)

    • 垂直跳び/20mシャトル走:瞬発力の指標(速筋寄り)

    • 3km〜5kmランの安定ペース:全身持久力の指標(遅筋寄り)


速筋・遅筋の基本

  • 速筋(Type II):大きな力・高出力・瞬発系。肥大しやすい/疲れやすい。

  • 遅筋(Type I):酸素利用が得意・持久力に強い。肥大しにくい/疲れにくい。

  • 筋は部位で構成比が違う:例)ヒラメ筋は遅筋多め腓腹筋は速筋多めなど。


トレーニングの組み立て(狙う能力で分ける)

速筋を鍛えたい(瞬発・パワー・筋肥大)

  • 高強度・低回数(例:1RMの75〜90%で3〜8回×3–6セット、休息2–3分)

  • **スプリント/ジャンプ系(プライオメトリクス)**を併用

  • 動作は速く・丁寧に(意図的に挙上速度を速く/反動は管理)

  • 週2–3回、超回復(休息)を確保

遅筋を鍛えたい(持久・姿勢保持)

  • 中〜低強度・高回数/長時間(例:15–30回、もしくは20–40分の連続運動)

  • テンポ一定・フォーム安定(有酸素域をキープ)

  • 週3–5回、継続性が最優先

ポイント:現実には中間的特性の線維の機能向上が中心。純粋な速筋だけを増やす/遅筋だけを増やすのは難しいため、狙いに合った刺激を継続的に与えるのが近道です。


休養・臥床と筋の変化

  • 姿勢保持に関わる遅筋優位の筋(抗重力筋・伸筋群)は、活動が途切れると萎縮が早い傾向。

  • 一方、速筋優位の筋(瞬発寄り)は普段使われにくいが、トレーニング刺激で肥大しやすい

  • 長期臥床・座りっぱなしを避け、毎日こまめに立つ/歩く/姿勢を変えることが、遅筋の萎縮予防に有効。


よくある落とし穴

  • 「短距離が苦手=速筋が少ない」ではない。 技術・神経適応・練習歴の影響が大。

  • 「とにかく回数」は万能ではない。 速筋狙いには十分な強度と休息が不可欠。

  • フォーム崩壊は逆効果。 速度や重量より動作品質を最優先。


クイックQ&A

Q1. 自分は遅筋タイプ。筋肥大はあきらめるべき?
A. いいえ。誰でも肥大は可能。時間がかかりやすいだけで、高強度・栄養・睡眠の管理で十分伸びます。

Q2. 速筋を伸ばしたいのに脚が太くならない。
A. 強度不足/ボリューム過多(持久刺激が混じる)/休息不足を見直し、爆発的動作と長い休息を導入。

Q3. マラソンもスプリントも両方伸ばしたい。
A. 期分けが有効。同時期に真逆刺激を大量投入せず、4–6週ごとに主目標を切替えると効率的。

Q4. 50m×12分走の比率はどのくらいが理想?
A. 個体差が大きく絶対の基準はありません自分の中の比較(トレーニング前後での変化)として活用を。

Q5. 臥床やデスクワークで落ちやすい筋は?
A. ふくらはぎ(ヒラメ筋)・大殿筋・背筋群など抗重力筋。毎日のこまめな立位・つま先上げ下げ・ヒップヒンジで守りましょう。


まとめ

  • 速筋・遅筋の“比率”はたしかに個人差があるが、狙いに合った刺激×継続×回復でパフォーマンスは必ず上がる。

  • 自分の傾向を把握し、トレーニング様式・強度・休息を合わせることが成果の最短ルート。


最終更新:2025-10-08