横突間筋(intertransversarii)

横突間筋

外側横突間筋

※図は腰部外側横突間筋

  • 背筋群の最深層に位置し、上下に隣接する椎骨の横突起(頸:前後結節/腰:肋骨突起など)同士を短く連結する分節筋。

  • 頸部:前部(前結節間)と後部(後結節間)が存在。

  • 腰部内側部(乳頭突起—副突起間)と外側部(肋骨突起=横突起同士)が存在。

  • 胸椎:発達が乏しく欠損しやすい

  • 役割は主に同側側屈(片側収縮)と分節安定化。伸展への寄与は小さく、**固有感覚(位置覚)**の点でも重要。

基本データ

項目 内容
支配神経 頸・後部/腰・内側部:脊髄神経後枝
頸・前部/腰・外側部:脊髄神経前枝
起始・停止 頸・前部:C2–C7の隣接横突起の前結節—前結節
頸・後部:C2–C7の隣接横突起の後結節—後結節
腰・内側部:隣接腰椎の乳頭突起と副突起間(内側の短筋束)
腰・外側部:隣接腰椎の肋骨突起(=横突起)—肋骨突起
停止 1つ上位の椎骨の横突起
動作 片側:頸椎・腰椎の同側側屈
両側:脊柱の分節安定化(わずかに伸展補助)

触診と評価のヒント

  • 腰部外側横突間筋:側臥位で腰椎の横突起ラインを指標に、軽い同側側屈で浅い張力の変化を触れる(非常に小さいため、機能評価中心が現実的)。

  • 機能評価:四つ這いで小振幅の側方ロッキングを行い、分節的な引っかかり/疼痛誘発の有無を確認。


セルフケア(再教育)

  • 四つ這いサイドロッキング:体幹を保ったまま骨盤を左右へ1–2cm移動(10回×2–3セット)。

  • 頸部“うなずき+微小側屈”:顎引き→1–2°だけ同側側屈をゆっくり(5秒保持×8–10回)。

  • 目的は高負荷筋力化ではなく分節協調の再学習


クリニカルメモ

  • 前屈作業の多い人/長時間座位では、横突間筋・多裂筋の抑制と分節制御の乱れが起きやすい。

  • 介入は腹圧(呼吸)再教育+多裂筋賦活小振幅モビリティの併用が安定的。

  • 急性痛では痛みゼロ域での微小運動のみ。神経症状があれば専門受診を。


よくある質問(Q&A)

Q1:横突間筋と棘間筋はどう違う?
A:どちらも分節筋ですが、横突間筋=横突起—横突起同側側屈と安定化棘間筋=棘突起—棘突起微小伸展と安定化に寄与。

Q2:腰部ではどちら(内側/外側)を意識すべき?
A:**外側部(前枝支配)**は側屈協調の再学習、**内側部(後枝支配)**は分節安定化の再学習で意識づけすると整理しやすい。

Q3:鍛えるより伸ばす?
A:高負荷は不要。小さい側屈運動+等尺保持で十分。ストレッチは痛みゼロ域で。

Q4:胸椎で触れないのは?
A:欠損例が多いため。胸椎の分節制御は多裂筋・最長筋・腸肋筋へのアプローチが主になります。

Q5:画像で評価できる?
A:一般MRIでは判別困難なことが多く、動作評価と症状変化を重視します。


最終更新:2025-10-07