膝蓋骨の場所と付着する筋肉について

膝蓋骨の概要

膝蓋骨(しつがいこつ)は、人体で最大の種子骨であり、逆三角形に近い形状をしています。
後面は大腿骨と接して**膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)**を構成しています。

種子骨とは

種子骨は、腱の中に形成される小さな骨で、関節運動に伴う摩擦や圧力を軽減する役割を担っています。
膝蓋骨が存在することで、頻繁に繰り返される膝関節運動の負担を減らすことができます。

各部位の名称と役割

部位名 位置 主な役割
膝蓋骨底(上端) 上方 【停止】大腿四頭筋腱
膝蓋骨尖(下端) 下方 【付着】膝蓋腱(膝蓋靭帯)
膝蓋骨関節面 後面 【関節】膝蓋大腿関節
膝蓋骨側面(内外側縁) 内外側 【付着】内側・外側膝蓋大腿靭帯

膝蓋骨の役割について解説

膝蓋骨には、①大腿四頭筋の擦り減り防止、②膝関節伸展力の効率化、③膝関節の保護といった三つの役割があります。

膝関節|膝蓋骨がない場合.jpg

膝蓋骨がない場合は、滑車がない状態だと考えると理解しやすいです。滑車がないため、スムーズな筋収縮が行えずに大腿四頭筋を摩耗してしまいます。

膝蓋骨があることにより、伸展機構の作用効率を50%も高めるとされています。

膝関節|膝蓋骨がある場合

テコの原理について

膝関節においては、「第三のテコ」の原理が働きます。これは、力点が支点と作用点の間に存在するテコです。

特徴として、運動のスピードが速くなるといったメリットがありますが、力が大きく必要になるといったデメリットも存在します。

テコの原理|第三のテコ

このフォースアームが短くなるほどに、重りを持ち上げるための力が大きく必要となり、逆に長くなるほどに少ない力で持ち上げることができます。

または、レジスタンスアームが長くなるほどに持ち上げやすくなるともいえます。

大腿四頭筋による膝関節伸展では、支点が膝関節、力点が脛骨粗面の筋付着部、作用点が下腿の重心線になります。

大腿四頭筋による膝関節のテコ

ベクトルの大きさ

下図は膝蓋骨がない場合の、ベクトルの大きさになります。大腿四頭筋の収縮力に対して、脛骨の移動力が乏しいことがわかります。

膝蓋骨がない場合|力学

膝蓋骨がある場合は、ベクトルが複合することで、少ない収縮力でより大きな脛骨の移動力を引き出すことができます。

膝関節が屈曲位にて膝蓋骨の動きが乏しくなるのは、この滑車を固定するためだと考えてください。

滑車が固定されずに動くようなら、筋肉が収縮したときに上手く力が伝達できずに引っ張ることができなくなります。

膝蓋骨がある場合|力学

Q&A

Q. 膝蓋骨はなくても歩けますか?
A. 可能ではありますが、伸展力が大きく低下するため、走る・階段を上るといった動作が困難になります。

Q. 膝蓋骨はケガしやすいですか?
A. 膝前面に位置するため打撲・骨折しやすい骨ですが、厚い関節軟骨に守られているので慢性的な摩耗には強いです。

Q. 子どもにも膝蓋骨はありますか?
A. ありますが、乳幼児期は軟骨でできており、成長とともに骨化します。


最終更新:2025-09-17