凹足とは?
-
凹足(ハイアーチ)=内側縦アーチが過度に高い足。いわゆる甲高。
-
反対は扁平足(フラットアーチ)。いずれも足部ストレスの偏りを招きます。
-
日本人の目安:扁平足 約7割/凹足 約2割/理想的アーチ 約1割。
なぜ凹足になる?
1) 可動域の代償(“つじつま合わせ”)
-
足関節背屈の不足 → 早期ヒールレイズ(踵が早く浮く)
→ 中足趾節関節(MTP)を過度に背屈して蹴り出しを稼ぐ
→ 足底腱膜が持続緊張(ウィンドラス) → 立方骨・第1列が高位化 → アーチ上昇
2) 後足部の配列
-
距骨下関節の過回外(オーバースピネーション) → 足部は“締まり”過多でしなりが出にくい(衝撃吸収が苦手)。
3) 二次的に起こりやすいこと
-
外側荷重の増加 → 腓骨筋炎、足関節捻挫反復、第5中足骨(Jones)骨折リスク
-
前足部ストレス → 内反小趾、胼胝・中足骨痛、長趾伸筋の張り
-
踵部痛、シンスプリント など
まれに**神経筋疾患(例:Charcot-Marie-Tooth 病)**が背景にあることも。急速な変形・左右差が大きい・家族歴がある場合は整形外科へ。
評価のコツ(セルフチェック)
-
片脚立ちで外側(小趾側)に体重が逃げる/踵が内側に倒れにくい
-
しゃがみ込みが苦手(膝をまっすぐで足首が曲がりにくい)
-
靴底の外側ばかり減る、こむら返りやすい
直し方・整え方(優先順位つき)
A. 可動域を取り戻す(足関節背屈)
-
ニー・トゥ・ウォール(ひざ突き出し)
壁に足先を向けて立ち、膝を壁にタッチ。踵は浮かせない。
-
膝曲げ(ヒラメ筋):10〜15回×2–3/側
-
膝伸ばし(腓腹筋):20–30秒静的×2–3/側
-
距骨前方滑りの自己モビリゼーション
バンドやタオルを足首の前に回し、後方へ牽引しながらニー・トゥ・ウォール。
B. 配列の再学習(過回外→中立へ)
-
トライポッド接地:母趾球・小趾球・踵の3点を均等に。
-
母趾主導の離床:蹴り出しは母趾MTP伸展→母趾で押す。
-
“ドーミング”はやさしく:土踏まずを軽く持ち上げる意識。指は反らしすぎない(長趾伸筋の過緊張を避ける)。
C. 筋バランスの是正
-
腓骨筋(長・短)強化:セラバンドで外返し/立位で外側荷重→中立へ戻す反復 10–12回×2–3
-
後脛骨筋は“過度に入れすぎない”:凹足では内側縦アーチをさらに上げすぎない配慮を。
-
ふくらはぎの柔軟性:毎日ストレッチ(上記A)。
-
足内在筋:タオルギャザーは親指基部主体で、趾先で強く握り込まない(爪先把持=前足部過緊張を回避)。
D. インソール・靴選び
-
ソフトで厚めのミッドソール、前足部に余裕(甲高対応)。
-
外側ウェッジ/前足部外反(外側上がり)ポスティングで外側過荷重を分散。
-
“強すぎる内側アーチパッドのみ”は×:アーチをさらに高くして痛み悪化のことも。
-
捻挫反復にはヒールカウンター硬めや足首サポートを併用。
E. 姿勢・COP(足圧中心)の調整
-
骨盤後方位だとCOPは後外方に偏りやすい → 立位でみぞおちを軽く前上、踵と母趾球の荷重を揃える。
-
歩行は外側で受けて内側(母趾)で抜ける“アウト→イン”を丁寧に。
よくある質問(Q&A)
Q1:扁平足用の“高いアーチサポート”を入れても大丈夫?
A:凹足では内側サポートを盛りすぎると痛み悪化が多いです。外側ウェッジや前足部外反ポストなど“外側を支える設計”を検討。
Q2:タオルギャザーは有効?
A:やり方次第。趾先で強く握ると前足部過緊張が増えます。母趾基部を意識した軽い内在筋活性に留めて。
Q3:ランは続けてOK?
A:痛みが0–3/10なら距離と坂・スピードを一時調整。腓骨筋強化+足首可動域回復を並走し、シューズはクッション厚めへ。
Q4:捻挫を繰り返します
A:腓骨筋の反応速度トレ(チューブ外返し、片脚バランス)と外側支持のあるインソール、接地角度の見直しが有効。
受診の目安
-
急速なアーチ変化・強い左右差・家族歴、感覚低下や筋力低下がある場合は整形外科へ。
-
持続痛・夜間痛・腫脹が強い場合は疲労骨折・腱障害の鑑別を。
1日5分のミニルーチン
-
ニー・トゥ・ウォール(膝曲げ)10回×2
-
腓骨筋バンド外返し 10回×2
-
トライポッド→母趾で離床 10回
-
ふくらはぎストレッチ 30秒×2
最終更新:2025-10-08
3.jpg)



