足底にできる胼胝の位置とその特徴について解説していきます。
①母趾球の付け根のタコ
母趾球の付け根にタコができる最大の原因は、足部の回内足(オーバープロネーション)です。
立位や歩行時(振り出しの際)に足関節が内側に倒れ込み、母趾に荷重が集中するのと同時に外反し、タコや外反母趾を引き起こします。
足部がオーバープロネーションしているとニーイン・トーアウトしやすく、膝関節に捻れる力が加わります。
ニーイン・トーアウトしやすい状態にあると、鵞足炎や内側半月板損傷、膝蓋下脂肪体炎を引き起こしやすいです。
②第2趾の付け根のタコ
第2指の付け根にタコができる人の特徴として、オーバープロネーションがあり、横アーチが潰れてすぎて浮き指と開張足を起こします。
遠位横アーチが低下すると、足底の第2-3趾間と第3-4趾間に滑液包炎が生じ、その間を通過している固有底側趾神経を圧迫します。
そうなると固有底側趾神経の支配領域のみに限局した知覚障害を起こします。
③第4趾の付け根のタコ
第4指の付け根にタコができる原因も横アーチの低下であり、第2指の付け根のタコと同時にできることも多いです。
第2指にできるタイプと比べて、ストライドの幅が大きく、蹴り出しの際に骨盤が外方向へ動揺し、膝外側への負担が大きいことが特徴です。
つま先は内向き(トーイン)になりやすく、着地時に反対側に身体が大きく傾く場合は、ニーアウトしてガニ股となる傾向が強くなります。
ニーアウト・トーインしやすい状態にあると、腸脛靭帯炎や外側半月板損傷、膝窩筋腱炎を引き起こしやすいです。
オーバープロネーションが強くなると、膝の外側痛(外側半月板損傷)ではなく、内側痛(内側半月板損傷)を起こすこともあります。
④第5趾の付け根のタコ
第5指の付け根にタコができる最大の原因は、足部の回外足(オーバースピネーション)です。
歩行の立脚期に骨盤が外方向へ動揺し、膝外側への負担が強まり、さらに内反小趾が生じやすくなっています。
ニーアウト・トーインしやすい状態にあるので、腸脛靭帯炎や外側半月板損傷、膝窩筋腱炎を引き起こしやすいです。
⑤踵付近のタコ
踵付近にタコができる最大の原因は、足部の内反です。
足関節の背屈制限をきたしており、歩行では膝が伸びた状態で接地し、重心が後方に位置するフォームの傾向が強いです。
骨盤が後方変位している状態にあることが多く、膝蓋腱炎や足底腱膜の付着部痛(踵部痛)などを引き起こしやすいです。