筋・筋膜性頸部痛(首コリ)のリハビリ治療

筋・筋膜性頸部痛(首コリ)のリハビリ治療について解説していきます。

筋・筋膜性頸部痛の概要

頸部痛の原因は大きく分けると、①筋・筋膜性疼痛、②椎間板症、③椎間関節障害の3つに分類できます。

筋・筋膜性頸部痛は首コリ(または肩コリ)とも密接に関係しており、頸肩部周囲の筋肉に慢性的な緊張状態を呈しています。

筋肉の過緊張が問題であるなら重だるさを感じる程度ですが、深筋膜に問題が生じていると激しい痛みを訴えます。

首コリの原因となりやすい筋肉

頸部痛を起こす可能性の高い筋肉について、以下に掲載していきます。

①僧帽筋上部線維

僧帽筋上部線維は非常に硬くなりやすい筋肉のひとつであり、頸部痛や頭痛などの外方ラインの問題を起こす原因となります。

胸椎後弯が増強している不良姿勢(カイホロードシスなど)では、前に突き出た頭部(頭部前方位)を支えるために僧帽筋上部線維が収縮します。

慢性的な筋肉の緊張は筋・筋膜性疼痛を引き起こす要因となるので、根本的な改善には不良姿勢の修正が必要となります。

②肩甲挙筋

肩甲挙筋も非常に硬くなりやすい筋肉のひとつであり、頸部痛や頭痛などの外旋ラインの問題を起こす原因となります。

胸椎後弯が増強している不良姿勢(カイホロードシスなど)では、前に突き出た頭部(頭部前方位)を支えるために肩甲挙筋が収縮します。

③後頭下筋群

後頭下筋群もトリガーポイントが形成されやすい筋肉のひとつであり、後頭痛を引き起こす原因になります。

後頭下筋群は目を強く開く動作で収縮するため、視力障害がある人でモノをよく見ようとする動作の際に無意識に使用しています。

肩こりを起こしやすい姿勢

肩こりを起こしやすい不良姿勢にカイホロードシスがあり、その特徴として猫背(胸椎後弯の増強)があります。

猫背では大胸筋や小胸筋に過緊張が認められやすく、その場合は拮抗ラインにあたる僧帽筋上部線維と肩甲挙筋の緊張が増大します。

そのため、肩こりを完治させるためには胸筋のリラクゼーションが必要であり、猫背を改善させることが大切です。

肩こりを軽減する簡単な方法

肩こり者の多くは、姿勢を保持するために筋肉を過剰に使用しています。

そのため、筋肉が休める時間を作ることが効果的であり、昼寝をするなどしてリラックスさせる方法が有効です。

根本的な原因は不良姿勢にあるので、胸椎伸展トレーニングや下部体幹前方位の修正などを行うように調整していきます。

筋肉は緊張状態が続くことで深筋膜に問題が生じるので、疼痛が強い場合は筋膜マニピュレーションなどで高密度化を解きほぐすことが必要です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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