頚腸肋筋

頸腸肋筋の概要

頸腸肋筋の起始停止

  • 脊柱起立筋群の**最外側列(腸肋筋)**の頚部パート。

  • 第3–6肋骨の肋骨角から起こり、C4–C6横突起の後結節に停止。

  • 作用は頚椎伸展(両側)/同側側屈(片側)。線維配向上、同側回旋をわずかに助けることもある。

  • 浅層は僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋・上後鋸筋に覆われる。

基本データ

項目 内容
支配神経 脊髄神経後枝(主に上胸~頚しベル)
髄節  C6–T3 相当(文献差あり)
起始 3–6肋骨の肋骨角
停止 C4–C6 横突起・後結節
栄養血管 肋間動脈、腰動脈
動作 頚椎伸展同側側屈(+軽い同側回旋)

触診のコツ

  1. 体位:伏臥位(または座位で軽前屈)。肩はリラックス。

  2. ランドマーク肩甲骨内側縁のやや内側~頚椎外側溝を辿り、C4–C6横突起後結節付近で浅い触圧。

  3. 収縮テスト:被検者に軽い同側側屈+頚伸展を指示し、肩甲挙筋の走行(C1–4)より尾側に硬結の出現を確認。

  4. 注意:浅層筋(僧帽筋・菱形筋)で圧が止まりやすい。指腹でゆっくり分層して深部へ。


ストレッチ

  • 自伸張:座位で下位頚~上位胸椎を意識して前屈し、反対側へ側屈+わずかに反対回旋。20–30秒×2–3回。

  • ポイント:起始が上胸部肋骨なので、上位胸椎も一緒に屈曲させるとテンションが乗りやすい。肩は下制を保つ。


筋力トレーニング(選択的に)

  • タオル/バンド等尺性:タオルを後頭部に当て、下位頚~上位胸の伸展5秒保持×8–10回

  • 側屈アイソメ:側頭部に手を当て、同側側屈方向へ等尺抵抗。頚をすくめず、肩甲帯は下制


クリニカルメモ

  • 頚~上位胸の伸展不足猫背+肩甲帯下制で、頚腸肋筋が代償的に過活動になりやすい。

  • 肩甲挙筋痛菱形筋痛と混在しやすいので、分層触診頚—胸郭の連動評価を。

  • 上後鋸筋・肋椎関節の機能低下があると、上胸郭の動きの悪さ→頚部負担増のループに陥りやすい。


よくある質問(Q&A)

Q1:肩甲挙筋との見分け方は?
A:肩甲挙筋はC1–C4へ停止し、上方挙上痛が出やすい。頚腸肋筋はC4–C6停止で、同側側屈・伸展で深部の張りが増すのが目安。

Q2:どの姿勢で悪化しやすい?
A:猫背+頭部前方位+肩下制。上位胸椎が固まり、頚腸肋筋が代償。胸郭の前後弯バランスから修正を。

Q3:安全なストレッチのコツは?
A:痛みゼロ~軽微で行い、肩は下げたまま。しびれ・放散痛が出たら中止。

Q4:トレとストレッチ、どちらを先に?
A:まず上位胸椎のモビライゼーション/ストレッチ→その後等尺性の再教育→必要に応じ等張へ。

Q5:片頭痛や腕の痺れと関係ある?
A:直接原因とは限らないが、頚—胸郭の筋緊張が関与するケースはある。神経症状の持続夜間増悪は医療受診を。


最終更新:2025-10-07