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むち打ち症(外傷性頚部症候群)のリハビリ治療


むち打ち症(外傷性頚部症候群)のリハビリ治療は以下になります。

むち打ち症の概要

交通事故や水泳の飛び込みなどで急激に頚椎へ外力が加わった際に、頸椎を支持する組織が損傷することで生じる障害の総称を外傷性頸部症候群(いわゆるむち打ち症)と呼びます。

頸椎を支持する組織とは、①筋肉、②靱帯、③椎間板、④椎間関節などであり、これらに炎症やスパズムが生じることで痛みが起こりますが、その容態は多岐にわたります。

交通事故の場合は、補償の問題や精神的な要素が深く関係するため、症状が長引きやすい傾向にあります。

外傷性頸部症候群の症状

主な症状は頚部の動作時痛と関節可動域制限で、場合によっては頭痛やめまい、耳鳴り、嚥下障害、顎関節痛などが合併することもあります。

上肢に波及する痛みやしびれを訴えることもありますが、神経症状(神経損傷)を伴うことは稀で、その多くは神経根症状や脊髄症状とは容態が異なります。

頸部をまったく動かせないような激しい痛みを伴っている場合は、頸椎骨折の可能性もあるので、CT検査にて詳しく検査していき、骨折が認められる場合は安静と固定が必要となります。

障害部位を特定する検査

はじめに単純X線写真にて頸椎を2方向より撮影し、骨折や脱臼がないことを確認します。骨折が確認できないにも関わらず、激しい痛みを伴う場合にCT検査を行います。

通常、MRI検査を実施する必要はありませんが、神経症状を訴える場合に鑑別目的で行われることもあります。事前に神経検査(反射・知覚・筋力)で状態を確認しておくことも大切です。

頸椎を支持する組織の影響をみるためには、圧痛の有無や痛みが起きる動作方向を確認し、どの組織の影響が強いかをみていきます。

難治性のむち打ち症について

以前に交通事故後のむち打ち症の患者を担当した時に、全身倦怠感や吐き気、耳鳴りなどの様々な症状の訴えがありました。

いくら評価しても原因がわからず、ある日から保険目当ての詐病ではないかと疑うようになりました。その症状は半年経っても改善しなかったため、その患者は国立病院で精密検査を受けることになりました。

その結果、脳脊髄液減少症と診断され、手術で症状は完全に消失しました。このときほど、自分の知識不足を恥ずかしく思ったことはありません。

通常、脳脊髄液は一定量のバランスを維持していますが、交通事故による外力で硬膜が破れて髄液量が漏出すると、起立性頭痛や吐き気、めまい、全身怠惰感など様々な症状を呈します。

治療としては、自分の血液で漏出部分に蓋をする硬膜外血液パッチ(ブラッドパッチ)が施術されます。

外傷性頚部症候群の分類

むち打ち症はケベック分類に従って評価や治療を実施すると理解がしやすいです。

重症度 内容
Grade0 頸部に訴えがない、徴候がない
Grade1 頸部の痛み・強張り・圧痛の主訴、客観的徴候なし
Grade2 関節可動域制限を伴う頸部主訴
Grade3 神経症状(腱反射の減弱や感覚障害)を伴う頸部主訴
Grade4 骨折または脱臼を伴う頸部主訴

Grade1では安静の必要はなく、就労制限も必要ありません。Grade2では安静や就労制限を考慮してもよいですが、できるだけ短い期間(2,3日)に限定します。

Grade3では神経症状が増悪する運動方向を制限し、必要に応じて頸椎カラーの使用を行います。安静や就労制限はできるだけ短い期間に限定します。

Grade4では脊椎外科医のいる施設は搬送し、適切な治療を行う必要があります。

むち打ち症のリハビリテーション

むち打ち症のほとんどは1カ月程度で改善し、リハビリが必要となるケースはほとんどありません。

しかし実際は、医師から外来リハビリが処方されることもあるため、介入しなければならない場面もあります。

その際に療法士がとるべき対応としては、症状は時間の経過とともに治まってくることを伝え、痛みのない範囲で頸部は動かすように説明することが大切です。

徒手的に首を揉んだりするとかえって痛めてしまうことも多いため、軽い徒手牽引やリラクゼーション程度にとどめておくようにしてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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