カイホロードシスとは
カイホロードシスは、次の3点が同時にみられる姿勢パターンです。
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① 腰椎前弯の増強(骨盤前傾・いわゆる強い反り腰)
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② 胸椎後弯の増強(頭部前方位=首が前に出やすい)
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③ 下部体幹の前方変位(みぞおち〜骨盤が前へ出る)
なりやすい背景:長時間の不良姿勢、体幹(特に腹筋群)弱化、肥満・妊娠による腹圧の変化、低身長での視線補正癖など。
腰痛との関係(なぜ痛む?)
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立位で腰椎が持続的に伸展 → 椎間関節に疲労が蓄積し椎間関節障害を起こしやすい。
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炎症→治癒過程で関節包が硬く縮むと伸展・回旋で痛みが出やすくなる。
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骨盤前傾+腰椎伸展は椎体前方への剪断力↑。前縦靱帯で受け切れないと、素因があれば腰椎変性すべり症のリスクが上がる。
セルフチェック(簡易)
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横から写真を撮り、
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腸骨稜〜恥骨結合ラインが前下がり→前傾強め
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肋骨前突・みぞおちが前へ出る→下部体幹前方位
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後頭より耳が前に出る→頭部前方位
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仰臥位で腰の隙間が大・肋骨が前上方へ張る → 伸展代償の目安
改善の考え方(順番が大事)
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腰椎屈曲モビリティを取り戻す(まず“反る一択”からの脱却)
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腹横筋・多裂筋・大殿筋を活性(ニュートラル保持の土台)
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胸椎伸展の再獲得(胸で反れると腰の代償が減る)
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立位・座位の習慣を修正(肋骨前突を収める呼気コントロール)
具体エクササイズ
1. 腰椎屈曲モビリティ
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仰向けで両手を太ももの裏に回し、尾骨が床からわずかに浮くイメージで**“腰だけ”を丸める**。
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股関節だけが曲がっていないか確認(腰椎が丸くなる感覚を最優先)。10秒×5回。
2. 後傾コントロール(骨盤ポスターリオチルト)
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仰向け膝立て。両掌を腰の下に入れ、腰で手をそっと押し潰す→骨盤後傾を5–8秒保持×10回。
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息は止めない(口すぼめで6–8秒吐くと腹横筋が入りやすい)。
3. コア+胸郭
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ドローイン+呼気:鼻3秒吸う→口すぼめ6–8秒で吐き、肋骨を前下方へ収める。6呼吸×2セット。
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余裕が出たらデッドバグ(腰は中間位のまま片手・対側脚を交互に伸ばす)8–10回×2。
4. 大殿筋活性(腰を反らせないヒップリフト)
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仰向け膝立て、肋骨を収めたまま殿筋主導で持ち上げる。腰の反り感が出たら停止。10–12回×2–3。
5. 胸椎伸展モビリティ
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椅子座位で骨盤を立て、胸骨をやや上へ。フォームローラーや椅子背で胸椎だけを反らす練習。8–10回。
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壁スライド+プラスで前鋸筋・僧帽筋下部を協調(胸郭位置が整う)。
※鋭い痛み/しびれ/夜間痛がある、既往にすべり症・骨粗鬆症がある方は、運動前に医療機関へ。
よくある質問(Q&A)
Q1. 反り腰と何が違う?
A. 反り腰は主に腰椎前弯↑。カイホロードシスはそれに胸椎後弯↑+体幹前方位が重なる“全体配置”の問題です。
Q2. 腹筋だけ鍛えれば治りますか?
A. 腹横筋と呼気制御が土台。クランチのみは腰椎のヒンジ屈曲を助長し逆効果になりがち。順番(呼吸→コア→殿筋)が重要です。
Q3. ストレッチは何を優先?
A. 腰部伸筋群(脊柱起立筋)と腸腰筋・大腿直筋。ただし“腰を反らせて行う伸展ストレッチ”は避け、腰を丸める感覚を先に学習。
Q4. どれくらいで変化する?
A. 毎日5–10分×2–3週間で張り・姿勢感覚の変化が出ることが多いです。長時間立位/座位の生活要因の修正も同時に。
Q5. 妊娠中はやっていい?
A. 妊娠中は腹圧操作や仰臥位長時間は避け、主治医・助産師に確認のうえ安全な範囲の胸椎モビリティと呼吸から。
最終更新:2025-10-07
