ゲートコントロール理論をわかりやすく解説

ゲートコントロール理論とは

電気刺激が「痛みの治療」に使えるという理論的根拠を初めて示したのは、**1965年に Melzack と Wall が提唱した「ゲートコントロール理論(門制御理論)」**です。

この理論は現在では一部修正され、
抑制介在ニューロンが「T細胞」という痛みを伝える神経を直接抑制するとされています。


🚪「痛みのゲート」を閉じる仕組み

ゲートコントロール理論

わかりやすく言えばこうです:

  • 抑制介在ニューロンが働くと、T細胞が抑えられて痛みが伝わらなくなる(=ゲートが閉じる)

  • 抑制介在ニューロンを活性化させるには、太い神経線維(Aβ線維)を刺激する必要がある

Aβ線維は触覚を伝える神経なので、
たとえば痛い部位を手でさすると痛みが和らぐのはこの仕組みによります。


⚠️細い神経を刺激すると逆効果

一方、Aδ線維(温痛覚)やC線維(交感神経)といった細い神経を刺激すると、抑制介在ニューロンの働きが抑えられ、痛みが強くなってしまいます。

  • 皮膚が冷たいとき

  • 交感神経が優位(ストレスや緊張時)

こうしたときに痛みを感じやすいのも、この機序によるものです。


⚡TENS(経皮的電気刺激)との関係

TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)は、皮膚にパッドを貼り、電気を流してAβ線維を刺激する装置です。

  • Aβ線維が刺激される

  • 抑制介在ニューロンが活性化する

  • T細胞が抑えられ、痛みが脳に伝わらなくなる

つまりTENSは、ゲートコントロール理論を応用して痛みを抑える機器というわけです。


🏠家庭用TENSの活用と注意点

現在は、家庭用低周波治療器(TENS機器)が5,000円前後で購入でき、一般家庭でも広く普及しています。

ただし、効果は一時的であり、根本治療にはならないため、あくまでセルフケアの一環として使うことが大切です。


📋神経線維の分類(参考)

分類 直径(μm) 役割
15(13–22) 筋・腱感覚、骨格筋運動
8(8–13) 皮膚の触圧覚(★ここを刺激)
4–8 錘内筋
3(1–4) 皮膚温痛覚(体性痛)
B 3(1–3) 交感神経節前線維
somatic C 0.5(0.2–1) 交感神経節後線維
dorsal root C 0.5(<1) 皮膚温痛覚(内臓痛)

💬Q&A

Q. TENSはどんな痛みに効きますか?
A. 主に急性・慢性の筋骨格系の痛み(腰痛・肩こり・関節痛など)に用いられます。

Q. どれくらい使えば効果が出ますか?
A. 使用中から痛みの軽減を感じることが多いですが、効果は一時的です。

Q. 副作用はありますか?
A. 基本的に安全ですが、心臓ペースメーカー装着者や妊娠中は使用を避けるべきです。


最終更新:2025-09-16