【専門職向け】半腱様筋の触診やストレッチを解説

この記事では、半腱様筋(semitendinosus)に関する充実したデータを閲覧できます。

半腱様筋の概要

半腱様筋の起始停止 半腱様筋の起始停止2

半腱様筋は名前の通りに遠位の半分(1/2)が長い腱となっており、半膜様筋の表層を覆うように位置しています。

半腱様筋はハムストリングの中で最も筋線維が長いため力学的効率が悪く、体積も小さいので関節運動への貢献度はやや低くなっています。

深層には強力な半膜様筋も存在しているため、膝前十字靭帯を断裂した場合に半腱様筋腱を切断し、前十字靭帯の代わりとして再建する手術として利用されます。

基本データ

支配神経 脛骨神経
髄節 L5-S2
起始 坐骨結節の内側面
停止 脛骨粗面の内側(鵞足を形成)
栄養血管 下殿動脈、貫通動脈
動作 膝関節の屈曲、下腿の内旋(膝屈曲時)、股関節の伸展
筋体積 212
筋線維長 9.1
速筋:遅筋(%) 50.050.0

運動貢献度(順位)

貢献度

股関節伸展

膝関節屈曲

1 大殿筋 半膜様筋
2 大腿二頭筋(長頭) 半腱様筋
3 大内転筋 大腿二頭筋
4 半膜様筋 腓腹筋
5 半腱様筋 薄筋

※半腱様筋と半膜様筋は下腿の内旋にも作用しますが、その作用は半腱様筋のほうが強いです。

半腱様筋の触診方法

自己触診:半腱様筋

写真では、下腿の内旋を強調した膝関節の屈曲運動にて、半腱様筋を筋腱移行部で触診しています。

膝窩の中心にある腱が半腱様筋腱で、外側にある腱が半膜様筋腱になります。

ストレッチ方法

半腱様筋のストレッチング

長坐位にて片脚を屈曲させ、ストレッチ側の脚を内転位とし、その状態で体幹を前屈します。

膝関節をやや屈曲すると近位部をより伸張できます。

筋力トレーニング

半腱様筋の筋力トレーニング

重錘を足首に付けて腹臥位で膝関節屈曲を行います。

負荷は低めですが、他の運動と比較して代償運動が少なく実施できます。

トリガーポイントと関連痛領域

半腱様筋の圧痛点(トリガーポイント)は中央から遠位に出現しやすく、関連痛は大腿から膝関節内後方にかけて痛みが放散します。

アナトミートレイン

アナトミートレイン:筋膜:SBL

半腱様筋はアナトミートレインの中で、SBL(スーパーフィシャル・バック・ライン)に繋がっています。

SBLは身体の屈曲を制動している筋膜で、滑走不全が生じると前屈制限を起こす原因となります。

歩行時の筋活動

ハムストリングの歩行時のの筋活動

遊脚終期(TSw)から膝関節伸展の減速のために遠心性に収縮し、その後は立脚中期(MSt)まで活動して膝関節屈曲に作用します。

関連する疾患

  • 鵞足炎
  • 下腿外旋症候群
  • 前十字靱帯損傷 etc.

鵞足炎

縫工筋と鵞足

脛骨近位内側では、①縫工筋、②薄筋、③半腱様筋の腱が扇状に付着しており、その形態が鵞鳥の足に似ていることから鵞足と呼ばれます。

鵞足は膝関節の屈伸運動にて内側側副靭帯(前方線維)との間で摩擦が起きるため、ランニングなどで刺激が繰り返されると炎症を起こすことがあります。

炎症は腱の付着部または鵞足滑液包に起こり、それらを総称して鵞足炎と呼んでいます。

症状は主に鵞足部の疼痛(圧痛)ですが、半腱様筋が関わることは稀で、ほとんどは薄筋が問題を起こします。

下腿外旋症候群

膝関節を痛めやすいヒトの特徴として、下腿が過剰に外旋した状態があり、それを総称して下腿外旋症候群と呼んでいます。

下腿が外旋すると膝蓋下脂肪体や内側半月板のインピンジメントを引き起こしやすくなり、膝関節の痛みの原因となりやすいです。

半腱様筋は下腿の内旋に作用するため、下腿の外旋に作用する大腿二頭筋が過剰に収縮しないようにバランスをとることが大切です。


vc

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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