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回転性めまい(前庭障害)の原因とリハビリ治療


回転性めまいの原因とリハビリ方法について解説していきます。

めまいの鑑別

一般的にめまいは、①回転性、②浮動性の二種類に分けられます。

回転性めまいは、「天井がぐるぐると回る」といった感覚を訴え、主に前庭系の平衡障害によって生じます。

ぐるぐるバッドをしたあとに平衡感覚がわからず、まっすぐ歩けなくなるのは回転性のめまいが起きていることによります。

浮動性めまいは、「身体がふわふわ浮いている」といった感覚を訴え、脳血管の障害や自律神経障害によって生じます。

日常で最も多いめまいは、一過性の血圧上昇による浮遊性めまいになります。

神経系が原因のめまい分類

神経系によるめまいの場合、中枢性では脳幹や小脳、末梢性では前庭感覚系が問題となります。

末梢性めまい 中枢性めまい
性質 回転性 浮遊性
度合 重度 軽度
時間 突発性、周期的 持続性
頭位との関係 あり なし(例外あり)
耳鳴、難聴 あり なし
脳神経障害 なし あり
眼振 一側方注視眼振 両側方注視眼振

なぜ回転性めまいが出現するのか

めまいが起こる機序として、前庭感覚が障害される前の平衡感覚が脳内に残存しているため、現在の感覚との乖離によって起こるとされています。

それを修正するためには、現在の異常感覚を繰り返し行い、以前の感覚を修正することが必要です。

前庭障害でめまいが起こるメカニズム①|あり
前庭障害でめまいが起こるメカニズム①|なし

前庭系の障害を起こす疾患

めまい平衡医学会が定める診断基準化疾患は、以下の16疾患にまとめられています。また、加齢によっても平衡感覚障害は起こります。

1 慢性中耳炎由来の内耳障害
2 メニエール病
3 遅発性内リンパ水腫
4 めまいを伴う突発性難聴
5 外リンパ瘻
6 前庭神経炎
7 良性発作性頭位めまい
8 薬物による前庭障害
9 内耳梅毒
10 ハント症候群
11 聴神経腫瘍
12 椎骨・脳底動脈循環不全
13 血圧異常によるめまい
14 頚性めまい
15 心因性めまい

前庭リハビリテーション

前庭障害に対するリハビリ治療は、主に以下の三つから構成されます。

①前庭機能の強化

障害にて機能低下を起こしている前庭に対して、残存機能を強化することを目的とした訓練になります。

方法として、頭部を上下左右に動かしながら新聞を読んだり、壁に掛けてあるカレンダーを確認するなどの運動を実施します。

フィギュアスケートの選手が素早く回転しても目がまわらないのは、普段から前庭機能が強化されているからです。

②以前と現在の感覚のずれを消失させる

めまいが起こる動作を繰り返すことにより、めまいの強度や発生頻度が低下することが報告されていますが、それは脳内で感覚の上書きが起きているからです。

現在の感覚について脳が学習することにより、以前の感覚と現在の感覚の乖離が消失し、めまいを改善することができます。

ポイントとして、生活に即した動きを中心に反復し、強度は耐えられる範囲で強めに設定することが効果的です。

③視床や体性感覚での代償

前庭障害による平衡感覚の機能低下を、視覚や体性感覚で補う方法です。

視覚は追視機能を向上させることで頭部の動きを減少させます。体性感覚は使用割合を増加させることで前庭の役割を軽減します。

追視機能の訓練として、眼球を先に動かしてターゲットとなる点を固視し、その次に頭部を動かすようにします。

体性感覚の訓練として、閉眼や柔らかいパッドを使用して入力感覚を変化させ、姿勢制御における感覚の使用割合を体性感覚優位とします。

良性発作性頭位めまい症について

BPPV(benign paroxysmal positional vertigo)とも呼ばれており、頭部の位置が変化することで回転性めまいが発生することが特徴です。

原因の半数以上は不明であり、すべての年齢に発症し、加齢に伴って発生数が増えていく傾向にあります。突発性は女性に多く発生します。

BPPVの障害部位は後半規管が90%を占めており、①半規管結石症、②クプラ結石症のふたつに分類されます。

半規管結石症

卵形嚢から耳石が一部が剥がれて、その小片が後半規管の膨大部稜に浮遊する状態を指します。

治療においては、Epley法が有効です。方法は、以下の姿勢をそれぞれ1-2分間保持していきます。(障害が左側の場合)

姿勢 頚部の位置
1 座位 左回旋45度
2 背臥位 左回旋45度+伸展30度
3 背臥位 右回旋90度+伸展30度
4 右側臥位 右回旋45度
5 座位 中間位
6 座位 屈曲30度

クプラ結石症

耳石器から耳石の一部が剥がれて、半規管の膨大部稜にあるクプラに付着する状態を指します。

治療においては、Semont法が有効です。方法は、以下の姿勢を順番にとり、2と3はそれぞれ3分間保持していきます。(障害が左側の場合)

  姿勢 頚部の位置
1 座位 右回旋45度
2 座位左側屈 右回旋45度+頚部伸展
3 座位右側屈 右回旋45度+頚部屈曲
4 座位 中間位

お勧めの一冊

前庭リハビリテーションを詳しく学びたい場合は、以下の書籍が参考になります。

障害別に詳しくアプローチ方法が記載されていますので、是非ともチェックしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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