肩こり(筋・筋膜性頸部痛)のリハビリ治療

vc

筋・筋膜性頸部痛のリハビリ治療について解説していきます。

肩こりの概要

肩こりは病名ではなく、頸肩部周囲の慢性的な筋肉の緊張状態をいい、筋・筋膜性頸部痛とも呼ばれます。

とくに僧帽筋上部が肩こりの原因となっている場合が多く、緊張性頭痛とも深く関連しています。

筋肉の過緊張が問題であるならコリ(重だるさ)を感じる程度ですが、深筋膜に問題が生じていると強い痛みを訴えることになります。

上の画像は、アナトミートレインにおける深筋膜の繋がりを示したものですが、僧帽筋上部はSBAL(SBLから影響しやすい)に属しています。

そのため、もしも深筋膜に問題が生じている場合は、肘外側や手背、腰部や下肢後面にも痛みを訴えることになります。

僧帽筋上部が硬くなる原因

前述したSBL(スーパーフィシャル・バック・ライン)は、立位姿勢を保持するために最も重要な筋膜の繋がりになります。

ロードシスのように普段から緊張姿勢(主要姿勢筋の緊張が強い状態)にあると、脊柱起立筋は徐々に硬くなっていきます。

その状態が長時間(長期間)に継続すると、頸部脊柱起立筋の表層に位置する板状筋や僧帽筋上部に滑走不全を起こすことになります。

肩こりを軽減する簡単な方法

肩こり者の多くは、姿勢を保持するために筋肉を過剰に使用しており、普段の生活動作から常に僧帽筋上部が緊張している状態にあります。

両僧帽筋上部に筋電図を装着して窓ふきを実施してもらった実験では、窓を拭く側だけでなく、使っていない側の僧帽筋にまで収縮が起きていることが報告されています。

要するに、肩こりがない側の腕を使って作業をすると、知らない間に反対側にも負担がかかっているということになります。

これは筋膜上で両僧帽筋が繋がっているため、筋膜上のどこかに滑走不全が起きており、対側に影響を与えていることが原因です。

右の僧帽筋上部を圧迫すると左手に響く(痺れる)という訴えは臨床をしているとよく聞かれますが、これも筋膜の繋がりによるものです。

肩こりを根本的に治していくためには滑走不全を改善させる必要がありますが、それには一定の知識と技術が必要になります。

そのため、誰でもひとりで簡単に効果を出せる方法として、主要姿勢筋がリラックスした時間を作る方法が推奨されます。

その最も簡単な方法は「昼寝」をすることであり、臥位になると主要姿勢筋の緊張もなくなるので、僧帽筋上部は完全にリラックスできます。

時間は15分程度で効果があり、一日のなかで筋肉が休息できる時間を設けることは非常に大切な要素といえます。

慢性的に肩こりにある人が、長期連休などで症状が一時的に改善するケースは多いですが、それは僧帽筋上部の緊張時間が減ったためです。

肩こり者の不良姿勢

肩こり者に多い姿勢として「猫背」がありますが、具体的には上位胸椎の過後弯にて頭部前方位にある状態をいいます。

頭部が前方にあるということは、頸部後方の筋肉が緊張して支える必要があり、それが結果的には肩こり(首こり)を引き起こします。

胸椎後弯の修正

胸椎の過度な後弯を修正するためには、背もたれのある椅子に腰掛けて、胸椎を伸展させる運動を実施します。

その際に、腕をバンザイすることで肋骨間も広げていきます。

後頭下筋群に持続的な負荷がかかる

事務職などで不良姿勢(頭部前方位)を長く続けている場合は、その状態で姿勢が固まってしまいます。

できるだけ頭部前方位の時間を短くするためには、椅子にクッションを置いたり、デスクの高さを変えるなどして調整することが大切です。


他の記事も読んでみる

勉強になる情報をお届けします!

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme