長掌筋

この記事では、長掌筋(palmaris longus)に関する充実したデータを閲覧できます。

長掌筋の概要

長掌筋の起始停止

長掌筋は前腕前面の浅層に位置しており、上腕骨から起始し、手の平の付け根に広がる手掌腱膜に停止する二関節筋です。

長掌筋は手掌腱膜に緊張を与えつつ、手関節の掌屈に作用し、さらに肘関節屈曲と前腕回内にも補助的に貢献します。

手掌筋は屈筋支帯を通過せず、表層の手掌腱膜につながるため、拳を握りながら手関節を掌屈した際に手首中央に腱が浮き上がります。

長掌筋は欠損例が比較的に多いですが、欠損していても機能的に大きな不利とならないため、腱損傷時などの移植腱として使用されることも多いです。

基本データ

支配神経 正中神経
髄節 C7-T1
起始 上腕骨の内側上顆
停止 手掌腱膜
栄養血管 尺骨動脈
動作 手関節の掌屈
拮抗筋 尺側手根伸筋、短橈側手根伸筋、長撓側手根伸筋
筋体積 10
筋線維長 7.1

運動貢献度(順位)

貢献度

手関節掌屈

1 浅指屈筋
2 深指屈筋
3 尺側手根屈筋
4 橈側手根屈筋
5 長掌筋

※主に手関節の掌屈に働く筋肉ですが、その貢献度は低いとされています。

前腕の断面図

前腕中央の断面図|長掌筋

前腕中央を断面でみた場合、長掌筋は最背面の中央部に位置しているのがわかります。

浅指屈筋や深指屈筋と比較して非常に小さい筋肉であるため、その貢献度はあまり高くありません。

長掌筋の触診方法

長掌筋

すべての指を合わせるように力を入れてもらい、手掌腱膜を緊張させた状態から手関節の掌屈運動を反復してもらいます。

前述したように長掌筋の欠損している例は時々みられ、その欠損率は4-13%といわれています。

写真では、手掌腱膜を緊張させながらの手関節の掌屈運動にて、長掌筋腱を触診しています。

手首で浮き出ている腱

手首で浮き出ている腱の筋肉の種類|長掌筋

拳を握りしめたときに手首に浮き上がっている腱は、中央部が手掌筋、親指側が橈側手根屈筋、小指側が尺側手根屈筋になります。

長掌筋のすぐ隣りで浅指屈筋腱の動きが触知できますが、やや深部を通過して屈筋支帯によって抑えられているため、長掌筋ほど浮き出ません。

前述したように長掌筋は欠損している場合も多いため、浮き出ないケースでは欠損していると考えることができます。

ストレッチ方法

長掌筋のストレッチング

肘関節伸展、前腕回外、手関節背屈位とし、もう片方の手を手指MP関節に置きます。

その状態から手関節背屈、第2-5指MP関節伸展を増大させていきます。

筋力トレーニング

長掌筋の筋力トレーニング

手の平を上に向けてバーベルなどの重りを持ち、手関節を掌屈させます。

圧痛点と関連痛領域

長掌筋圧痛点と関連痛領域

長掌筋の圧痛点(トリガーポイント)は筋腹に出現し、関連痛は前腕の前内方に沿って刺すような痛みを引き起こします。

長掌筋は円回内筋と共通の起始を持つため、内旋運動配列に関与しており、障害が起こると第3指と第4指の腱拘縮が発生します。

表層の手掌腱膜につながるため、痛みは深部ではなく、表面上のチクチクした痛みを訴えることが特徴です。

マッサージ方法

まずは筋肉の走行を確認するために、手関節の掌屈方向に力を入れてもらい、手首の中央にて長掌筋の腱を浮かび上がらせます。

腱部を母指にて圧迫しながら走行を確認していき、その際に横断マッサージを同時に加えながら実施すると効果的です。

起始部ちかくに硬結部や圧痛が認められやすいので、その都度に持続圧迫を加えてリリースしていきます。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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