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関節の拘縮が起こる原因と改善させるためのストレッチ方法

関節の拘縮を改善させるための方法について解説していきます。

関節拘縮が起こる理由

可動域制限が起こる原因は様々ですが、その中でもとくに多いのは、①痛み、②筋肉の過緊張、③筋肉の短縮、④靭帯の短縮、⑤関節包の短縮などがあります。

関節拘縮の原因別割合

関節拘縮にアプローチする場合は、先ほどに述べた原因の順序に沿って進めていくことが望まれます。

なぜなら、痛みや過緊張がある場合は筋肉を伸張することができませんし、筋肉に短縮がある場合は、奥にある靭帯や関節包を伸張することができないからです。

そのため、まずは筋肉の状態を確認することが大切になります。

筋肉の問題について

外傷などにより炎症が起こると、発痛物質によって痛みが出現します。痛みが起こると、関節が動かないように筋肉が緊張します。

筋肉が緊張すると、筋内の血管を圧迫して虚血状態となります。血流障害を起こすと発痛物質が放出され、さらに筋肉が緊張するといった悪循環に陥ります。

関節の不動や過緊張は筋肉などの軟部組織の短縮を引き起こすため、まずはなによりも痛みの除去と筋肉の緊張緩和が最優先となります。

急性期では組織修復のための炎症による痛みが存在しますが、その場合は服薬や注射などでまずは炎症を抑えるところから開始します。

外傷が治癒しており、痛みの原因が筋肉の過緊張にあると考えられる場合は、積極的な運動療法の開始となります。

筋肉に問題があるかを確認するためには、筋肉の硬さをみることに加えて、圧痛の所見があるかを診ていきます。

筋肉の過緊張を緩和させる方法

過緊張を緩和させるためには、軽い運動(筋収縮)や触圧覚刺激によるリラクセーションが効果的です。

筋収縮は筋のポンプ作用によって血流が改善し、発痛物質を除去することによって痛みによる悪循環を断つことができます。

しかし、過度な収縮は反対に緊張を増加させてしまうことになるため、ごく軽微な力での自動介助運動で行うことが必要となります。

その際に、痛みに対する精神的な緊張や重力による刺激をできる限りに取り除くため、なるべく触れ合う部分を広くとって支えるようにします。

筋肉が短縮する原理

筋肉の過緊張が緩和できたら、次は筋肉の伸張を行っていきます。

短縮の原因はふたつ存在し、ひとつは筋節の減少です。筋節は太いフィラメントと細いフィラメントで構成されており、それらが滑走することで筋肉は伸張します。

ひとつの筋節が伸びる限度は決まっているため、筋節が減少すると筋肉は十分な伸張ができずに短縮します。

筋短縮の原理|筋節

筋節を増やすためには、筋腱移行部を集中的に伸張させることが重要で、そのためにはストレッチをかけた状態で等尺性収縮を行うことが有用です。

筋腱移行部にはゴルジ腱器官も存在するので、等尺性収縮することでIb抑制が働いて、緊張を同時に和らげることも可能です。

等尺性収縮による筋のストレッチ効果

もうひとつの短縮の原因は筋肉の線維化です。筋肉の中でも、筋膜はコラーゲンとエラスチンで主に構成されています。

コラーゲンは伸張すると平坦化して伸びますが、コラーゲンが架橋結合していると伸張が阻害されます。そして、結果として筋肉は柔軟性を失うことになります。

線維化に対しては、マッサージや筋膜リリースといった圧迫が有効で、結合部をほぐすようにアプローチしていきます。

筋短縮の原理|線維化① 筋短縮の原理|線維化②

靭帯や関節包の拘縮について

筋肉の問題が解決したら、次は靭帯や関節包の短縮についてアプローチしていきます。これらの短縮は筋肉とは異なり、最終域での制限や痛みが特徴です。

関節モビライゼーションは関節の緩みの位置(LPP)で実施すると考えているセラピストもいますが、実際は最終域で行うことが多いです。

なぜなら、靭帯や関節包が最も緊張する最終可動域で関節操作を加え、伸張させていく必要があるためです。

筋肉と同様に、どの靱帯や関節包がどの方向に制限するかを確認し、個別に伸張を加えながら操作していくことが大切です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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