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頸部(首)の痛みの原因とリハビリ治療

頸部(首)の痛みの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。

①頚椎椎間関節障害

頚椎の構造|矢状面

椎間関節周囲に何らかの障害をきたして炎症(痛み)が生じている状態を、椎間関節障害といいます。

椎間関節障害の場合は頸部の片側に痛みを訴え、関節部を直接的に圧迫することで痛みの有無を確認することができます。

頸部の伸展運動で圧縮ストレスが増して痛みを誘発でき、徒手的に原因レベルの動きを止めることで伸展時の痛みが消失します。

治療方法としては、椎間関節包や頸多裂筋などが痛みに関与しているため、痛みのない方向への持続ストレッチが有効です。

伸展時に痛みは誘発されやすいので、頸部屈曲運動を基本として、痛みのない方向への側屈運動も加えて実施していきます。

徒手的に頸部の牽引操作や周囲筋のリラクゼーションを図ることでも、痛みが緩和できることも多くあります。

②頸部固有背筋の痛み

頭半棘筋

頸部固有背筋とは、頸部に位置する背筋群の総称で、板状筋や半棘筋、最長筋や腸肋筋などがあります。

これらの筋肉に損傷が存在すると、頸部を屈曲した際に伸張ストレスが加わり、頚部痛を誘発することになります。

とくに半棘筋は頸部の前弯保持に関わっており、頭半棘筋と頸半棘筋の間で血管も走行しています。

そのため、半棘筋に筋硬結が存在すると血管を圧迫し、首こりや頭痛などを引き起こす原因となります。

治療方法としては、マッサージなどにて原因筋のリラクゼーションを図り、その後にスタティックストレッチングを行います。

アライメントの崩れによって筋肉が伸長位に保持され、血流が障害されて痛みが起こっている場合は、筋力強化にて姿勢矯正していきます。

③僧帽筋上部・肩甲挙筋の痛み

僧帽筋下行部

僧帽筋上部筋束と肩甲挙筋は、最も肩こり(首こり)を引き起こしやすい筋肉であり,頸肩部周囲の慢性的な痛みの原因となります。

これらの筋肉に過度な緊張が存在すると、頸部を屈曲した際に伸張ストレスが加わり、頚部痛を誘発することになります。

治療方法としては、マッサージなどにて原因筋のリラクゼーションを図り、その後にスタティックストレッチングを行います。

筋肉が伸長位に保持され、血流障害によって痛みが起きている場合は、リラクゼーションなどはかえって首こりを悪化させます。

そのため、状態に応じてリラクゼーションや筋力強化を使い分けながらアプローチしていくことが必要となります。

④頚椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症

頸椎椎間板ヘルニアは椎間板の変性により、髄核が後方や後側方に脱出し、脊髄や神経根を圧迫する病気です。

髄核が後方に脱出した場合は、脊髄(硬膜)を圧迫するために頚椎症性頸髄症となります。

脊髄を包んでいる硬膜を圧迫することで頚部痛が起き、頸髄を圧迫をすることで、それより下位の神経症状が現れます。

具体的には、下肢の痙性麻痺(足がつまずきやすくなる)や膀胱直障害といった症状が出現するため、神経根症と鑑別することが必要です。

治療方法としては、ヘルニアが原因なら吸収されるまで安静を保ち、必要に応じて頚椎の牽引操作などを加えていきます。

靭帯や骨の肥厚といった退行性変化が原因の場合は自然治癒が望めないため、手術療法の適当となります。

⑤頚椎症性神経根症

頚椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアが後方や後側方に脱出することは前述しましたが、後者の場合は神経根を圧迫し、頚椎症性神経根症となります。

障害を受けるのは圧迫を受けている神経のみなので、そのレベルに限局した神経症状しか起こらないのが特徴です。

そのため、基本的に頚部痛よりも上肢の痛みやしびれがメインとなります。

神経が機械的ストレスなどで炎症を起こしている場合は、耐え難いほどの激痛を訴えることも多くあります。

治療方法としては、ほとんどの場合はヘルニアが原因となるので、吸収されるまでは患部の安静を保ちます。

薬剤などで痛みがコントロールできず、我慢ができないほどの状態であるときは、早期の手術が検討されます。

⑥頚椎後縦靭帯骨化症

頚椎後縦靭帯骨化症

椎体の後方を縦走しているのが後縦靭帯であり、椎体同士を安定させることに加え、椎間板が後方に突出するのを防ぐ役割を持ちます。

この後縦靭帯が骨化して肥厚し、後方の脊髄を圧迫してしまった状態を頚椎後縦靭帯骨化症といいます。

日本で初めて報告され、欧米人よりもアジア人に多く発症するのが特徴です。

難治性の特定疾患に認定されていますが、症状のない軽度のものまで含めると、罹患者はそれほど珍しくない病気といえます。

治療方法としては、症状が強いときは頸部の温熱療法や頚椎カラーなどの装具療法を実施し、患部の安静を図ります。

基本的に進行性の病気であるため、重症化した場合には手術が必要です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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