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アキレス腱炎のリハビリ治療


アキレス腱炎のリハビリ治療に関する目次は以下になります。

アキレス腱炎の概要

アキレス腱( Achilles tendon)は下腿三頭筋(腓腹筋,ヒラメ筋)の腱であり、長さは15㎝ほどで人体で最も強く、最大の腱になります。

しかし、最大の腱であるにもかかわらず、走行する血管が乏しく、一旦痛みが出現すると難治性に陥りやすい部位です。

アキレス腱障害は、過剰なストレスが繰り返し加わることによって起こる過用症候群の一種であり、運動を習慣的にしている方に好発します。

アキレス腱|下腿を外側から見た図

ヒラメ筋は腓腹筋の深部に位置しており、主に歩行時に使用される筋肉です。人体で最も赤筋線維が多い筋肉であり、非常に重要な役割を担っています。

腓腹筋よりも筋出力が高く、普段の生活で必要なことはヒラメ筋の活動によって担っています。

ヒラメ筋|後面

腓腹筋は最表層に位置しているため、ふくらはぎに手を触れることで簡単に触診することができる筋肉です。

ヒラメ筋とは異なり、白筋線維が豊富な筋肉であるため、動物などから走って逃げるような緊急時に活躍します。

現代ではそのような危険はほとんどないので、主にスポーツや短距離走を実施する場合などに働くことになります。

腓腹筋|後面

アキレス腱周囲炎との違い

アキレス腱炎は、腱自体の炎症であり、病理学的にはアキレス腱の部分断裂、腱内の肉芽組織、瘢痕化粘液変性などが認められます。

アキレス腱周囲炎は、アキレス腱を包む組成結合組織(パラテノン)の炎症であり、腱自体の変化は少ないとされています。

この両者は同時に発症していることも多く、厳密に区別することは困難とされています。

また、アキレス腱付着部に生じるアキレス腱滑液包炎という病気もありますが、それは両者とはまた別の病態になります。

アキレス腱炎と周囲炎の違い

アキレス腱炎は男女問わず、幅広い年齢層に発生しますが、特に中年(35-45歳)の男性に多いとされています。

スポーツ種目別では陸上競技に多く、プロアスリートの7-9%、レクリエーションレベルランナーの6-18%にアキレス腱障害を有していると報告されています。

アキレス腱炎の臨床症状

主な症状は、アキレス腱付着部から2-6㎝近位部の痛みと腫脹です。足関節を背屈する動作や患部を圧迫することにより痛みの増強を認めます。

運動後や起床時の歩き始めに痛みが強く、症状が進行すれば安静にしていても痛みが伴うようになります。

アキレス腱炎と臨床症状

アキレス腱炎が進行すると、徐々に足関節の動きが悪くなっていき、動かす度にアキレス腱部に軋轢音が聞こえる場合があります。

不適切なトレーニング方法が原因となっているケースもあるので、靴の適合状態や扁平足の有無なども診る必要があります。

軋轢音が発生する理由|アキレス腱

アキレス腱炎の検査方法

X線検査では明確な診断がつかないことも多いですが、まれに石灰沈着している場合などにはわかる場合があります。

主な診断方法はMRIが有用で、腱が膨らんでいるのがよくわかり、変性の程度などの詳細な診断も可能となります。

また、超音波検査も簡便で有効な方法とされています。

アキレス腱炎|MRI

引用元:広島県医師会

治療とリハビリ方法について

1.疼痛期
薬物療法 鎮痛薬、湿布薬
患部安静 LICE処置、松葉杖の使用、足底板、テーピング
物理療法 電気、アイスパック
2.疼痛緩解期
物理療法 超音波
徒手療法 ストレッチ、マッサージ
筋力強化 低強度エクササイズ、バランストレーニング
3.競技復帰期(4週以降)
筋力強化 坂道走行、ジャンプ
特異動作 競技特性に応じたトレーニング

患部の安静方法

アキレス腱炎の原因はオーバーユースである場合が多いため、痛みが強い時期には運動を控えて局所を安静に保つように指導します。

急性期は疼痛を抑えるために、消炎鎮痛薬や湿布薬を服用することが推奨されます。

中敷きの踵部分に足底板を入れる、又はヒールのある靴を履いて踵を上げるとアキレス腱部の緊張が軽減され、疼痛が改善するケースが多いです。

また、扁平足などの足部変形がある場合には、アーチサポートなどの足底板を処方することによりアキレス腱への負荷が軽減できます。

ダイソーにも踵を上げる補高が売られているので、実施前後の痛みの変化をみるためにも、何枚か揃えておいて損はないです。

補高/100円均一/脚長差

テーピング方法については、まず足の裏側にテープを貼り、次にテープの内踝の下からアキレス腱の下、外踝の下を通して2つ目のテープを貼ります。

これらを交互に繰り返して足関節を徐々に固定していき、最後に踵の部分をしっかり覆うことにより、足関節への負担を減らすテーピングが完成します。

アキレス腱炎は再発しやすいので、その簡単な予防法としてサポーターの使用があります。サポーターの購入に関しては、日本医療メーカーのSIGMAXがオススメです。

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筋力強化やストレッチについて

炎症の治癒には患部の安静が絶対条件であるため、それまではできる限りに患部へのストレスは除去するようにします。

とくにアキレス腱は普段の生活の中で必ず使用される部位であるため、少し痛みが楽になってきたからと考え、自己判断でストレスをかけるとすぐに再発します。

また、そういった状態を繰り返すことで難治性へと移行してしまうため、確実に最初の治療で炎症の除去を徹底させることは非常に重要です。

痛み(炎症)が完全に治まったようなら、松葉杖や足底板、サポーターを除去することで徐々にアキレス腱へのストレスを高めています。

問題がないようなら、一日の負荷量を決めてから競技復帰に移行していきます。

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高齢者のアキレス腱の痛み

高齢者がアキレス腱部の痛みを訴えて来院してくることが時々ありますが、ほとんどは腱炎が基礎にあり、瘢痕や線維化によって滑走性が低下しています。

そのため、足首を他動的に底背屈してみると、強い抵抗感を感じられるはずです。

そのようなケースには、アキレス腱部のストレッチやマッサージ、滑走性を促す運動を実施することで痛みの訴えが軽減します。

難治性に対する手術療法

受傷後、3-6ヶ月間の保存的治療が奏功しない場合、観血的治療として縦断的腱切除術による線維性癒着の剥離が行われます。

観血的治療では、75-100%の患者に満足が得られたとの報告があります。

しかし、手術の適応になるまで悪化する患者はごく稀であり、基本的には使いすぎによる障害なので早期発見と早期治療が大切です。

炎症は負荷を徹底的に管理することで確実に抑えることができますので、その辺りの説明と免荷方法の選択がより重要になってきます。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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