体幹筋(コア)を鍛えるためのトレーニング方法について解説していきます。
体幹で重要な筋肉について
腰痛を例にしてみると、脊柱の不安定さが腰椎や周囲組織の負担を増やすことになり、結果として痛みを引き起こす原因となります。
脊椎の安定性を高めるためには、アウターマッスルよりも、インナーマッスルを鍛えることが重要になります。
中でも、腹横筋や多裂筋、大腰筋といった体幹のインナーマッスルは脊椎の安定化への貢献度が高い筋肉です。
インナーマッスルを鍛えるには
アウターマッスルは主に関節運動に貢献するため、腹筋運動のように関節運動が伴うダイナミックなトレーニングで鍛えることができます。
反対に、インナーマッスルは姿勢保持に関与する場合が多く、バランストレーニングのように不安定な状態で姿勢を保つ運動で鍛えることができます。
そのため、スイスボールやバランスディスクといったリ道具を使用することで、効果的にアプローチしていくことができます。
腹横筋を鍛える方法
腹横筋は、息を吐きながらお腹をへこませるドローインといった運動で鍛えることができます。
この方法が優れているポイントは、その他の腹筋群(腹直筋や腹斜筋)の収縮を除外し、腹横筋を選択的にトレーニングできることです。
肘とつま先で身体を支える方法では、腹筋群の強い収縮にて姿勢を保持することになります。その際に、腹横筋にも大きな負荷をかけることができます。
しかしながら、難易度が高く、腹直筋や腹斜筋にも強い収縮を求めるため、アスリート向けのトレーニングになります。
大腰筋を鍛える方法
大腰筋を選択的に鍛える方法は少ないのですが、その中でもアクティブSLRは推奨できる方法のひとつです。
先ほどのドローインの状態から下肢を高く挙上することにより、大腰筋を中心に負荷をかけることができます。
一般的な腹筋運動では、腹直筋や腹斜筋が主に活躍します。大腰筋を選択的に鍛えるためには、屈曲後期で股関節に力を入れるように意識する必要があります。
また、足部を固定すると大腿直筋の活動が増してしまうため、固定はせずに実施することがポイントです。
多裂筋を鍛える方法
前述した肘とつま先で身体を支える方法では腹筋群が中心に働きますが、手と膝で支える方法では腹筋群と背筋群をバランスよく収縮させることができます。
難易度も低いので、状況に応じてバランスディスクなどを使用して不安定さを与える方法も有効です。
多裂筋を選択的に鍛える方法として、片脚で ブリッジする運動も効果的です。
膝関節の位置には左右されないので、大殿筋やハムストリングが楽な位置で実施することがポイントです。
また、支持脚にバランスディスクを置くことで不安定さを与えることにより、負荷を高めて実施することも可能です。