ロコモティブシンドローム(和名:運動器症候群/略称:ロコモ)は、骨・関節・筋肉・神経といっ た運動器の障害により移動機能の低下をきたした状態を言います。
現在、予備軍まで含めると国内で4,700万人がロコモの危険性があるといわれています。ここではその判定方法についてまとめてみました。
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ロコモティブシンドロームの臨床判断値と判定法
ロコモ度テストは、①下肢筋力、②歩幅、③身体状態・生活状況の3項目から計測していきます。
各項目における臨床判断値を用いて、ロコモの進行状況を「ロコモ度1」と「ロコモ度2」と判定します。
ロコモ度1,2とは
ロコモ度1は、移動機能の低下が始まっている状態です。判定された人は、筋力やバランス力 が落ち始めてきているので、ロコモーショントレーニング(ロコトレ)を始めとする運動を習慣づける必要があります。
また、十分なたんぱく質とカルシウムを含んだバランスのとれた食事をとるように気をつけて下さい。
ロコモ度2は、移動機能の低下が進行している状態です。と判定された人は、仮に現在は生 活に支障を感じていなくても、生活に支障が出てくる可能性が高くなっています。
特に痛みを伴う場合は、何らかの運動器疾患が発症している可能性もありますので、整形外科専門医の受診が必要となります。
ロコモ度の判定基準
年齢に関わらず、下記の項目のうち、「ロコモ度2」に一つでも該当する場合は「ロコモ度2」、「ロコモ度2」には該当しないが、「ロコモ度1」に一つでも該当する場合は「ロコモ度1」になります。
ロコモ度 | ||
1 | 2 | |
下肢筋力 | どちらか一足の脚で40㎝の高さから立てない | 両脚で20㎝の高さから立てない |
歩幅 | 2ステップテストの値が「1.3未満」(膝を曲げ体を沈めながらの大股歩行が困難) | 2ステップテストの値が「1.1未満」(足を蹴り出しながらの大股歩行が困難) |
身体状態 | ロコモ25の得点が「7点以上」 | ロコモ25の得点が「16点以上」 |
立ち上がりテストの方法
- 10,20,30,40㎝の台を用意します。まず、40㎝の台に両腕を組んで腰掛けます。このとき両脚は肩幅くらいに広げ、床に対して脛(すね)がおよそ70度(40㎝の場合)になるようにして、反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒保持します。これができない場合、「ロコモ度2」になります。
- 40㎝の台から両脚で立ち上がれたら、片脚でテストします。「1」の姿勢に戻り、左右どちらかの脚を上げます。このとき上げたほうの脚の膝は軽く曲げます。反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒保持してください。これができない場合、下記の「3」を実施します。
- 片脚で立ち上がることが難しい場合、両脚で台の高さを30㎝、20㎝、10㎝と低くしながら立ち上がりテストを実施していきます。20㎝台からの立ち上がりができない場合、「ロコモ度2」になります。20㎝台からの立ち上がりができた場合、「ロコモ度1」になります。
2ステップテストの方法
- スタートラインを決め、両足のつま先を合わせます。
- できる限り大股で2歩歩き、両足を揃えます。(バランスを崩した場合は失敗とします)
- 2歩分の歩幅(最初に立ったラインから、着地点のつま先まで)を測ります。
- 2回行って、良かったほうの記録を採用します。
- 以下の計算式で2ステップ値を算出します。
ロコモ25の計算方法
この1ヶ月の間に、からだの痛みや日常生活で困難なことがあったかを聴取します。以下の質問用紙を用いて、ロコモ25の点数を計算します。
ロコモ25の得点別の重症度
区分 | 内容 |
0-6点 | 25 項目のいずれの項目でも困難を自覚する人の割合が 50%を超えない。 |
7-15点 | 「急ぎ足で歩く」、「階段昇降」に困難を自覚する人の割合が50%を超える。 |
16-23点 | 「2kg の買い物」、「重い家事」、「地域活動や催し物への参加」に困難を自覚する人の割合が 50%を超える。要介護のリスクが高い。 |
ロコモアドバイスドクターに相談
上記のロコモチェックに該当した方や、足腰に痛みや違和感を感じている方などは、ロコモアドバイスドクター(整形外科専門医)に相談することが大切です。
下記のURLより、あなたのお近くのロコモアドバイスドクターを探すこともできます。