内閉鎖筋(obturator internus)

この記事では、内閉鎖筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。

内閉鎖筋の概要

内閉鎖筋の起始停止

内閉鎖筋は殿部深層に位置する筋肉で、股関節の深層外旋六筋のひとつであり、大腿方形筋と並んで強力な外旋筋になります。

上双子筋と下双子筋の間を走行し、靱帯と骨盤で形成された小坐骨孔を貫通します。

基本データ

項目

内容

支配神経 仙骨神経叢
髄節 L4-S2
起始 閉鎖孔まわりの寛骨内側および閉鎖膜
停止 大腿骨の大転子の転子窩
栄養血管 上殿動脈
動作 股関節の外旋
筋体積 43
筋線維長 4.7
速筋:遅筋(%) 50.050.0

運動貢献度(順位)

貢献度

股関節外旋

1 大殿筋
2 大腿方形筋
3 内閉鎖筋
4 中殿筋(後部)

※深層外旋六筋の中では大腿方形筋と内閉鎖筋の貢献度が高いです。

深層外旋六筋の筋出力(順位)

順位

股関節外旋筋群

1 大腿方形筋
2 内閉鎖筋
3 梨状筋
4 外閉鎖筋
5 下双子筋
6 上双子筋

股関節の深層外旋六筋

股関節深層に位置する外旋筋を総称して深層外旋六筋と呼びます。

具体的には、①梨状筋、②内閉鎖筋、③外閉鎖筋、④上双子筋、⑤下双子筋、⑥大腿方形筋の6つの筋肉で構成されています。

内閉鎖筋の浅層は大殿筋に覆われており、その深層で閉鎖孔を覆うように走行していますので、閉鎖孔を押圧するようにして触診します。

ストレッチ方法

内閉鎖筋のストレッチング

腹臥位で膝を屈曲し、手で前足部を内側から把持し、 足部を外側に倒しながら股関節を内旋していきます。

その際に、骨盤が反対方向に回旋しないように注意してください。

筋力トレーニング

内閉鎖筋の筋力トレーニング

足部前方にセラバンドを巻き付けて、下肢を外旋させます。

関連する疾患

  • 変形性股関節症
  • 大腿骨頚部骨折 etc.

股関節手術

人工股関節置換術や人工骨頭置換術では、外旋筋群が切離されるために、術後早期は後方脱臼のリスクが高まります。

そのため、後方関節包にストレスが加わる過度な股関節屈曲・内転・内旋運動はしばらく控えることが求められます。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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