副腎の概要
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どこにある? 右左1個ずつ、腎臓のすぐ上(後腹壁・T12付近)。右は肝臓の影響で左よりやや低位。形は右=三角形、左=半月状。
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大きさ:およそ 3–5cm × 厚さ ~6–10mm/4–6g と小さい。
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何をする?
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皮質:
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球状層=アルドステロン(塩分・血圧調整)
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束状層=コルチゾール(抗炎症・代謝・ストレス応答)
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網状層=副腎アンドロゲン
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髄質:アドレナリン/ノルアドレナリン(交感神経反応)
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血流:上・中・下副腎動脈から供給。右副腎静脈は下大静脈へ、左は左腎静脈へ。
症状と代表的な疾患(ざっくり像)
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コルチゾールが少ない(副腎不全/アジソン病)
倦怠感、体重減少、低血圧、食欲不振、皮膚の色素沈着、低ナトリウム血症など。 -
コルチゾールが多い(クッシング症候群)
満月様顔貌、中心性肥満、紫紅色皮膚線条、高血圧、高血糖、骨粗鬆。 -
アルドステロン過剰(原発性アルドステロン症)
治療抵抗性高血圧、低カリウム血症、筋力低下。 -
髄質腫瘍(褐色細胞腫)
発作的な動悸・頭痛・発汗、高血圧発作。
受診の目安(要受診)
原因不明の体重減少、長引く強い倦怠感、失神/低血圧、治療しても下がらない高血圧、動悸発汗発作、皮膚の色が濃くなる——はいずれも専門医評価が必要です。
「副腎疲労」についての注意点
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一般に言われる**“副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)”は標準的な医学的診断名ではありません。**
似た症状の背景に、睡眠不足・ストレス・不安障害・甲状腺異常・貧血・抑うつ・睡眠時無呼吸などが隠れていることが多く、まずは鑑別が大切です。 -
検査の基本:早朝血中コルチゾールとACTH、必要に応じてACTH刺激試験、電解質、血圧評価など。サリバリー日内リズム検査は補助的で、単独では診断を決めません。
検査・画像のポイント
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血液:AMコルチゾール、ACTH、Na/K、レニン・アルドステロン。
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画像:腫瘍疑いでは造影CT/MRI、褐色細胞腫ではメタネフリン測定+画像。
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片側病変の機能評価には副腎静脈サンプリングを用いることも。
生活アドバイス(医学的治療の補助として)
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睡眠:起床・就寝時刻をそろえる(7–8時間を目標)。
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栄養:規則的な食事、過度のアルコール・精製糖・過剰カフェインを控える。
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運動:中等度の有酸素+筋トレ(週合計150分目安)。
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ストレス対策:マインドフルネス、軽い有酸素、入浴、相談先の確保。
※これらは疾患を治すものではなく、医療の補助として。
Q&A
Q1. 倦怠感が強い=副腎のせい?
A. 必ずしも副腎とは限りません。まずは一般血液(貧血・炎症・甲状腺・血糖)とAMコルチゾールで全体を評価しましょう。
Q2. 市販の“副腎サポート”サプリは有効?
A. エビデンスは限定的です。ホルモン様作用をうたう製品は相互作用や副作用の懸念があるため、医療者に相談を。
Q3. どのタイミングで検査すべき?
A. 上記のレッドフラッグ症状がある、または治療抵抗性高血圧や低K血症、色素沈着がある場合は早めに。
Q4. 右と左で機能の違いは?
A. 基本機能は同じ。**形と静脈還流(右→下大静脈、左→左腎静脈)**が臨床手技での違いになります。
Q5. ストレスで本当にコルチゾールは乱れる?
A. 慢性ストレスでHPA軸が変調し得ます。ただし診断は臨床症状+客観的検査のセットで行います。
最終更新:2025-10-07


