心臓の位置と関連痛領域について図で解説

心臓(heart)は、左右の胸腔を分ける縦隔の中部に存在しており、胸骨と肋骨によって守られています。

心臓の場所

心臓の役割は、血液を全身に循環させるためのポンプ作用です。

順路は、①大静脈→②右心房→③右心室→④肺動脈→⑤肺→⑥肺静脈→⑦左心房→⑧左心室→⑨大動脈であり、全身を循環して、また①に戻ります。

血液の流れ

肺によって二酸化炭素を吐き出して、酸素を取り込むため、右心房や右心室は静脈血が、左心房や左心室は動脈血で満たされています。

心臓の前方

上の写真をみると、大静脈は青色に、大動脈は赤色に描かれていますが、肺動脈は青色になっています。

これは肺動脈には静脈血が流れているからであり、肺で酸素を取り込んだあとは、動脈血を含んだ肺静脈が左心房に流れます。

心臓は拳より少し大きいほどで、男性では280〜340g、女性では230〜280gほどです。

心臓の関連痛領域

心臓(心筋梗塞)の関連痛は、左胸部から前腕内側にかけて出現し、後面では左上背部に痛みが起こる場合もあります。

支配神経は、T1〜T4から出る交感神経系と迷走神経になります。また、心膜には横隔神経が知覚線維を与えています。

心臓のデルマトーム

上の図は、脊髄神経における皮膚知覚の支配領域ですが、T1〜4の領域がちょうど関連痛領域に一致していることがわかります。

心臓はやや左側に位置しており、左側から神経支配を強く受けていますので、左側に痛みが出現すると推察されます。

心臓の圧痛点

心臓に問題がある場合は、T2棘突起の左側に圧痛点が生じます。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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