椎体に圧迫骨折(圧潰)が起こる原因のひとつとして、脊椎や股関節の硬さが挙げられます。
下の画像をみていただくとわかりやすいですが、どこかに硬さ(可動制限)が存在すると、それを補うために過可動となる場所が生まれます。
過剰に動くということは、それだけ負担が増えるということなので、損傷するリスクも高くなるわけです。
椎体圧迫骨折では、とくに椎体の前方が潰れやすいため、下位胸椎や腰椎、股関節の屈曲可動域を確保することが必須です。
圧迫骨折を起こしている上下の椎体は、通常よりも5倍ほど圧潰を起こしやすくなるので、その周囲の拘縮を取り除くことが再発予防には重要となってきます。
具体的にどのようなリハビリが有効かというと、側臥位にて下肢を屈曲させて、膝が胸につくように近づけます。
脊椎や股関節に屈曲制限が存在すると胸まで届かないので、その場合は制限をきたしている部分を治療します。
脊柱起立筋や多裂筋が過緊張しているケースが多いので、問題のある筋肉を緩めると可動性が改善するはずです。
注意点として、無理に下肢を屈曲させてストレッチングすると圧潰させるリスクもあるため、できる限りに問題を取り除いた状態で行うことがポイントになります。
上位胸椎が屈曲(過後彎)している症例では、連鎖して腰椎まで屈曲してしまうので、円背を修正することも大切です。
方法としては、側臥位の状態から上半身を回旋させて天井を向かせ、上位胸椎の伸展域を引き出すようにします。
これらの2つは圧迫骨折の再発を防ぐうえで重要となるので、是非ともアプローチしておきたいところです。
圧迫骨折を起こした直後は安静が第一ですが、どうして骨折が起こったのか、なにが問題だったのかを考えてアプローチしないことには、痛みが落ち着いたところで容易に再発してしまいます。
そのことを理解して、再発させない身体作りを目指していってください。