新規事業のアイデアを考える方法まとめ

将来は会社を辞めて独立したい。そんな夢を抱いているサラリーマンは意外に多いのではないでしょうか。その場合、これまでの経験を活かせるような事業をまずは考えると思います。

しかし、これまでとまったく同じことをやったとしても、最後に勝つのは資金力がある会社であり、零細企業なんてすぐに潰れてしまいます。

事業を軌道に乗せるためには、自社にしかできない独創的なサービス(商品)を提供することが大切であり、まずはニッチ分野を見つけることが必要です。

しかし、新しいアイデアを考えるということは並大抵のことではありません。天才でもない限りは、ただ闇雲に考えていただけで湧いてくるなんてことはないのです。

新しいアイデアの発想法

まずは誰にでも出来る基本的な発想法について解説していきます。

欠点列挙法

既存の事業をテーマに挙げて、その内容について欠点を列挙していく方法です。また、後半はその欠点を改善するための方法を列挙していきます。

特徴としては、簡単に取り組みやすく、日本人に向いている点です。既存の商品やサービスを改良していく際に、とくに力を発揮する発想法です。

希望点列挙法

既存の事業をテーマに挙げて、それに対する希望点を列挙していく方法です。実現するための手段は考えずに、まずは希望だけを挙げるようにします。

特徴としては、プラス思考で取り組めることや、発想に制限を持たせずに考えられることです。欠点列挙法と同様に商品やサービスを改良する際に有効となる発想法です。

チェックリスト法

既存の事業をテーマに挙げて、20項目ほどのチェックリストに従って採点していく方法です。ネットでも多様の形式がダウンロードできるので、事業に合ったものを使用します。

特徴として、チェックリストで発想の視点が得られることや、どこでもできる、個人でもできるなどのメリットがあります。

ブレーンストーミング法

最初に大枠のテーマだけを決めて、その後に自由なアイデアを出し合う方法です。特徴として、集団発想向きであることや、発想の視点が縛られずに自由にできることが挙げられます。

欠点として、まとまりがないために話が脱線しやすい傾向にあるので、進行役が情況を読みながら調整していくことが求められます。

以上の4つが代表的な発想法であり、それぞれにメリット・デメリットがあるので、状況に応じて発想法を使い分けてみてください。

少し視点を変えるだけでヒットする

上記のチェックリスト法を用いた成功例として「黒い綿棒」があります。

黒い綿棒は、既存の白い綿棒を黒くしただけでしたが、耳のゴミがよく見えるようになったことから爆発的なヒット商品となりました。

チェックリストの中に、「色を変えてみてはどうか」という項目があったのです。既存の商品の中でも、少し色や形を変えるだけで大化けすることはよくある話なのです。

既存のアイデアを変える5項目

より具体的な例として、変えることで成功する可能性がある5項目を提示します。

1 商品 形、色、素材、大きさ、ターゲット
2 サービス 非日常的、面倒くさいの解消、体験を売る、人員を変える
3 魅せ方 名前を変える、キャッチコピーを変える、タイアップの活用
4 売り方 ○○セット、○○だけ、カスタム○○、○○バイキング
5 言い回し 語呂合わせ、昔の言葉、方言、専門用語、否定語

アイデアを選定していく

新しいアイデアの発想法について解説してきましたが、次にそのアイデアを評価して選定していく作業が必要となります。

具体的なチェック項目として、以下の7つの視点で評価していくと考えやすいと思われます。

1 新規性 まったく新しい発想か。類似したものはないか。
2 ニーズ ニーズが強いか。たくさんあるか。
3 シーズ シーズを実現する機器や方法はあるか。
4 独自性 他者に真似されないか。既存のモノの組み合わせではないか。
5 実現可能性 シーズを踏まえ、お金や期間的に実現できそうか。
6 規模感 売上を大きくできるか。市場は大きいか。
7 収益可能性 黒字にできるか。投資回収が可能か。

以上の7項目をチェックしてもらい、3段階(1-3点)で評価してもらえば、上位に来たものの中から事業計画書にまとめてみたらいいでしょう。

点数は直感的に付けてもらい、アイデア抽出の段階ではデータを調べる必要はありません。まずは柔軟な発想力を鍛え、簡易的な選定方法でまとめられるようにすることが大切です。

点数化した時に、最低でも15点以上なければ成功するアイデアとは呼べないでしょう。

アイデアを事業計画書にまとめていく

もしもこの選定方法を通過した素晴らしいアイデアが出た場合は、次は情報を集めながら正確な調査を行っていきます。そして実際の事業計画書にまとめていく作業が必要になります。

事業計画書は、必要投資額や3年後の売上・経営利益、投資回収年数などの具体的な収益性を記載することが必須であり、非常に緻密な見通しが必要になってきます。

銀行や他者から投資・融資を受けたい場合、確実に利益が出ることが予測でき、それに応じた利息や配当金が得られると理解してもらうことが必要です。

そのように他者からも認めてもらえるビジネスアイデアを考え出したら、一国一城の主への道が具体的に見えてくるのではないでしょうか。

成功するビジネスプランの5カ条

新規事業が成功するかどうかを見極める方法として、以下の5項目が満たされていることが大切です。

1 根拠 ニーズの裏付けができている
2 具体性 事業のリアルなイメージが持てている
3 収支 収支・投資回収の見通しがある(最低3年)
4 事業化の適正 自社でやってブランドイメージ等に問題がない
5 信念 提案者に信念・理念がある(バックグラウンドや実績がある)

楽天CEOである三木谷氏の事業計画

楽天株式会社の会長兼社長の三木谷氏は、旧興銀を辞めて独立した際に、50以上のビジネスアイデアを考えていたそうです。

その中のひとつに、現在の楽天市場があったと言われています。もしかしたら、あなたにも楽天市場をひらめく可能性はあったのかもしれません。

全ての成功は発想(インスピレーション)が大切であり、成功するためには普段から考える力を養っている必要があります。

もしも、あなたがお客様のニーズを満たすような新しいアイデアを思いついたのなら、まずはどうやって実現できるのかを箇条書きにしてみてください。

文章にまとめることで、思考はより現実化してきます。そして、その作業こそが事業計画書を作成するための第一歩になります。

事業計画書を作成するメリット

個人のお金だけで事業を運営し、ひとりで会社をやっていくのなら計画書を作る必要はないのですが、ほとんどの場合はそうはいきません。

ここでは、事業計画書を作成する理由を三つほど解説していきます。

起業するためのお金を出資してもらう

素晴らしいビジネスアイデアを思いついたら、すぐに事業計画書を作成し、独立について真剣に考えるべきです。

しかし、ほとんどの人は起業するためのお金がないからと言って、夢を夢のままに終わらせてしまいます。これは本当にもったいない話です。

そんな時に事業計画書があれば、ベンチャーキャピタルに出資を依頼したり、金融機関からお金を借りたり、仲間を募って一緒に発起したりすることができます。

事業の構想を具体的にする

事業計画書は、マーケティングや市場分析、事業収支など様々な側面から検討する必要性があります。

その際に計画書があることで、足りない部分や新たな問題点を発見することが可能となり、より緻密な構想が可能となります。

実際に事業を起こしてみると多くの問題に遭遇しますが、そのリスクを事前に予想し、最小限に抑えることが、事業計画書の役割でもあります。

他者に説明するため

説明するということは、具体的に構想していたことを自身でより深く理解することができます。そして、本当に実現可能なのかを今一度考え直すことができます。

また、他者からの意見をもらうこともでき、客観的な評価を得ることも可能です。

以上の3つの理由から、新たなビジネアイデアを思いついたら、まずは事業計画書を作成することをお勧めします。

視野を狭めないことが大切

ふと閃いたアイデアが、自分の将来を180度変えてしまうような素晴らしいアイデア(楽天市場のように)だったとしても、なにもしなければなにも変わりません。

すべての人は成功する可能性を秘めているのに、そのことに気付いてはいません。それは、成功するための具体的な流れを知らないからであり、想像力がないからではありません。

発明品の特許にしても、新規事業のプランにしても、世の中には可能性がいくつも転がっています。

まずはその可能性に気付くことが、成功への第一歩なのではないでしょうか。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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