捻挫後に痛みが残存し、正座をしたら足首の外側に痛みがある症例についての治療法を解説していきます。
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内反捻挫の原因
捻挫のほとんどは「内反捻挫」であり、足関節が内反しやすい患者の多くに腓腹筋内側頭または後脛骨筋の短縮がみられます。
それらの筋肉が短縮していると捻挫を起こしやすい状態にあるため、筋肉をマッサージするなどして緩めることが必要です。
また、足関節を内反させる筋肉が短縮しているケースでは、足関節を外反させる筋肉(主に長腓骨筋)は弱化しています。
長腓骨筋に筋力低下があると、体重がかかる瞬間に足関節が固定されず、重心が外方にずれやすくなります。
そのようなケースでは、第5中足骨頭部に胼胝(たこ)ができていることも多いので、捻挫の予防には長腓骨筋の強化は必須です。
捻挫後に影響を受ける筋肉
足関節捻挫後に痛みが残存しやすい理由として、足関節周囲の筋肉に硬結が形成されてしまうことが挙げられます。
具体的に問題を起こしやすい筋肉とは、①短腓骨筋、②長母趾伸筋、③長趾伸筋、④短趾伸筋があります。
捻挫は治癒したはずなのに足関節の痛みや違和感が残存しているケースでは、まずはこれらの筋肉に硬結や圧痛がないかをチェックします。
正座で足首が痛い原因
以前に担当した患者では、捻挫後から足首の外側に痛みが残存し、正座をすると痛みが増悪する傾向にありました。
足関節外側に関連痛を起こすのは「短腓骨筋」であり、治療では筋肉を触診しながら硬結部を探していく作業が必要となります。
硬結部を見つけたら指先で圧迫を加えていき、普段の痛み(関連痛)が出現するかを確認していきます。
痛みが再現できるようならそこに問題が隠れていることが予測されるので、硬結部をほぐしていくようにマッサージを加えます。
その後に再度の運動検証(正座)を行い、痛みが改善するようなら原因があったと判断できるのでしっかりとリリースしていきます。
おわりに
捻挫に限らず過去に起こした怪我というのは、周囲の筋 ・筋膜に硬結を形成し、その後に身体の不調を作る原因となります。
そのため、既往歴を聞くということは原因を効率よく見つけることにつながるので、できる限りに確認しておくことが大切となるわけです。