短母趾伸筋(extensor hallucis brevis)

この記事では、短母趾伸筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。

短母趾伸筋の概要

短母趾伸筋の起始停止

短母趾伸筋は足背を通って母趾の付け根に停止する筋肉です。

足の親指を反らす働きを持っており、長母趾伸筋とともに母趾の伸展運動に作用しています。

基本データ

項目

内容

支配神経 深腓骨神経
髄節 L5-S1
起始 踵骨の前部背側面、下肢伸筋支帯の1脚
停止 母趾の趾背腱膜
栄養血管 足背動脈
動作 母趾の中足趾節(MTP)関節の背屈、近位趾節間(PIP)関節の背屈
拮抗筋 短母趾屈筋

運動貢献度(順位)

貢献度

母趾伸展

1 長母趾伸筋
4 短母趾伸筋

短母趾伸筋の触診方法

短母趾伸筋の触診1

母趾に抵抗を加えた状態で本筋を伸展させると、長母趾伸筋腱の外側で短母趾伸筋腱を触診することができます。

ストレッチ方法

短母趾伸筋のストレッチング

坐位にて足を組み、片手は右踵を持ち、もう一方の手は母趾の背側を把持し、母趾を屈曲していきます。

足関節を底屈しすぎると長母趾伸筋が伸張されるので、なるべく底屈しないようにして実施することが大切です。

筋力トレーニング

短母趾伸筋の筋力トレーニング

足趾を伸展させる際に、反対側の足を上に乗せて体重をかけることにより抵抗を加えます。

足関節の背屈が入ると長母趾伸筋が働きすぎるので、母趾のみの背屈を行うように注意しながら実施していきます。

圧痛点と関連痛領域

短母趾伸筋の圧痛点(トリガーポイント)は筋腹に出現し、関連痛は足背にかけて起こります。

トリガーポイントが発生している場合は、母趾の筋痙攣を伴いやすいです。


他の記事も読んでみる

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme