【介護保険】社会参加支援加算の算定要件(訪問リハ)

訪問リハビリテーションにおける社会参加支援加算の算定要件に関する情報を掲載しています。また、原文のあとに簡単な解説を記載します。

社会参加支援加算の単位(訪問リハ)

報酬項目 単位
社会参加支援加算/日 17

加算の算定要件

社会参加支援加算を算定するためには、以下の3つの要件を満たしている必要がある。

  1.  評価対象期間において指定訪問リハビリテーションの提供を終了した者のうち、指定通所介護、指定通所リハビリテーション、指定認知症対応型通所介護、通所事業その他社会参加に資する取組を実施した者の占める割合が、100分の5を超えていること
  2. 評価対象期間中に指定訪問リハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、指定訪問リハビリテーション事業所の従業者が、リハビリテーションの提供を終了した者に対して、その居宅を訪問すること又は介護支援専門員から居宅サービス計画に関する情報提供を受けることにより、指定通所介護、指定通所リハビリテーション、指定認知症対応型通所介護、通所事業その他社会参加に資する取組の実施状況が、居宅訪問等をした日から起算して、3月以上継続する見込みであることを確認し、記録していること
  3. 12月を指定訪問リハビリテーション事業所の利用者の平均利用月数で除して得た数が100分の25以上であること
社会参加支援加算は、利用者のADL・IADLが向上し、社会参加に資する取組に移行する等を指標として、質の高いリハビリテーションを提供する事業所を評価するものである。 そのため、「社会参加への移行状況」と「サービスの利用の回転」を勘案することとしている。 このうち、「サービスの利用の回転」の算定方法は下記のとおりであり、平均利用月数が48月以内であることを要件としている。
社会参加支援稜①
この平均利用月数を算出する際に用いる、「( i ) 当該事業所における評価対象期間の利 用者ごとの利用者延月数の合計」とは、評価対象期間に当該事業所を利用した者の、評価対象期間におけるサービス利用の延月数(評価対象期間の利用者延月数)を合計するものである。なお、評価対象期間以外におけるサービスの利用は含まない。
社会参加支援稜②

社会参加支援加算の留意事項

①社会参加支援加算におけるリハビリテーションは、訪問リハビリテーション計画に家庭や社会への参加を可能とするための目標を作成した上で、利用者のADL及びIADLを向上させ、指定通所介護等に移行させるものであること。
【解釈】永続的な訪問リハビリを実施するのではなく、次のステップにつなげていることを評価する加算が社会参加支援加算である。
②「その他社会参加に資する取組」には、医療機関への入院や介護保険施設への入所、指定訪問リハビリテーション、指定認知症対応型共同生活介護等は含まれず、算定対象とならないこと。
【解釈】訪問リハビリを終了して入院や入所、他事業所の訪問リハビリにつなげることは次のステップにつなげているとは判断できず、評価する対象とはならない。
③大臣基準告示第13号イ(1)の基準において、指定通所介護等を実施した者の占める割合及び基準第13号ロにおいて、12月を指定訪問リハビリテーション事業所の利用者の平均利用月数で除して得た数については、小数点第3位以下は切り上げること。
【解釈】例えば、算出した数値が「0.2432」だった場合は「0.25」とする。
④平均利用月数については、以下の式により計算すること。
イ) (ⅰ)に掲げる数÷(ⅱ)に掲げる数
(ⅰ)  当該事業所における評価対象期間の利用者ごとの利用者延月数の合計
(ⅱ)  (当該事業所における評価対象期間の新規利用者数の合計+当該事業所における評価対象期間の新規終了者数の合計)÷2
ロ) イ(ⅰ)における利用者には、当該施設の利用を開始して、その日のうちに利用を終了した者又は死亡した者を含むものである。
ハ) イ(ⅰ)における 利用者延月数は、利用者が評価対象期間において当該事業所の提供する訪問リハビリテーションを利用した月数の合計をいう。
ニ) イ(ⅱ)における新規利用者数とは、当該評価対象期間に新たに当該事業所の提供する訪問リハビリテーションを利用した者の数をいう。また、当該事業所の利用を終了後、12月以上の期間を空けて、当該事業所を再度利用した者については、新規利用者として取り扱うこと。
ホ) イ(ⅱ)における新規終了者数とは、評価対象期間に当該事業所の提供する訪問リハビリテーションの利用を終了した者の数をいう。
⑤「三月以上継続する見込みであること」の確認に当たっては、指定訪問リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、訪問リハビリテーション終了者の居宅を訪問し、訪問リハビリテーション計画書のアセスメント項目を活用しながら、リハビリテーションの提供を終了した時と比較して、ADL及びIADLが維持又は改善していることを確認すること。なお、利用者の居宅への訪問が困難である場合、当該利用者の介護支援専門員に対して、居宅サービス計画の提供を依頼し、社会参加等に資する取組の実施状況を確認するとともに、電話等を用いて、上記と同様の内容を確認すること。
【解釈】利用者の居宅を訪問しなくても、ケアマネに居宅サービス計画を提供してもらい、サービスの提供状況を確認してから電話連絡で本人又は家族に確かめることでも可能とする。
⑥「三月以上継続する見込みであること」の確認に当たって得られた情報については、訪問リハビリテーション計画等に記録すること。
【解釈】確認した情報を記録しておかないことには、監査で確認した証拠を示すことができないので注意する。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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