結合組織の分類について

結合組織は、伝統的な分類における組織の4種のうちの1種であり、他に上皮組織、筋組織、神経組織に分けられます。

詳細に定義された分類ではなく、むしろ他組織に当てはまらない組織を集合させたことによる大きなカテゴリになります。

結合組織の修復過程では、①肉芽組織の形成を経て復元、②瘢痕組織を残して修復、③コラーゲンの代謝回転(ターンオーバー)が生じます。

ターンオーバーとは、古い細胞や組織自体が新しく入れ替わることであり、コラーゲンの半減期は約300日と非常に長いです。

それだけ多くの時間を費やしながら徐々に結合組織は柔軟性を取り戻していくので、治癒まで根気強く待つことも必要となります。

結合組織は傷害されると「組織修復」の治癒過程をとりますが、筋線維や末梢神経、表皮は「組織再生」と呼ばれる治癒過程を経ます。

組織再生とは形態的にも機能的にも、失われた組織と同等に復元されることを意味し、幹細胞の活性化と増殖ならびに元の組織への分化といった一連のメカニズムをとります。

組織が傷害されると、①炎症期、②増殖期、③成熟期といった3つの治癒過程をたどっていきます。

それぞれの時期は独立することなく、オーバーラップしながら進んでいくことが特徴です。

治療においては、まだ創が閉じていない時期にマッサージなどで動きを加えると、創が開いて炎症を強めることになります。

通常、炎症のピークは損傷から3日前後であり、7〜10日程度で沈静化します。

成熟期ではリモデリングが生じ、数ヶ月をかけて密なコラーゲン線維束が形成されていきます。

しかし、本来よりも伸張性や弾力性に乏しいものとなるため、密になる過程で別の離れた部位に疼痛を引き起こす場合もあります。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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