肩峰下滑液包(肩峰下三角筋下滑液包)
滑液包は、摩擦や圧縮から組織を保護する「潤滑クッション」の役割を担います 。その中でも**肩峰下滑液包(subacromial bursa: SAB)**は人体で最大級の規模を持ち、三角筋下滑液包と連続しています 。
豊富な神経分布: SABには痛みを感じる自由神経終末(侵害受容器)が非常に高密度に分布しており、肩関節周囲の組織の中で最も痛みに敏感な部位の一つです 。
主な役割: ①挙上運動時における棘上筋腱の滑走性の確保、②上腕骨頭が上方へ変位した際のクッション(緩衝材)としての作用です 。
痛みの起こり方(メカニズム)
肩関節を外転・挙上する際、大結節は烏口肩峰アーチ(肩峰や烏口肩峰靭帯)の下を通過します。
- Painful arc(疼痛弧): 特に外転60~120°付近は肩峰下スペースが最も狭くなり、SABや腱板が圧縮・摩擦ストレスを受けやすくなります。
- 二次的要因: 姿勢不良(胸椎後弯/肩甲骨前傾・外転位)、腱板の機能低下による求心位の喪失、後方関節包のタイトネスなどがあると、上腕骨頭が相対的に上方へ押し上げられ、インピンジメント(衝突)を助長します。
- 臨床的特徴: 純粋な滑液包炎よりも、棘上筋腱の変性や炎症(腱板炎)を併発しているケースが多く認められます。痛みは**肩上面から外側(三角筋付着部付近)**にかけて広く放散しやすいのが特徴です。
徒手検査
最終更新:2026-04-07

