胆嚢の位置と関連痛領域について図で解説

胆嚢の概要

胆嚢の場所

胆嚢管と十二指腸1

  • 位置:右上腹部。肝臓の下面に密着して存在。

  • 大きさ:長さ約 7–10 cm、幅約 3–4 cm、容量 30–60 mL 程度。

胆嚢

  • 胆汁の流れ:胆嚢 → 胆嚢管総肝管と合流して総胆管 →(膵管と合流)→ 大十二指腸乳頭から十二指腸へ。

  • 胆汁の成分:胆汁酸、ビリルビン、コレステロール、リン脂質(※消化酵素そのものは含まれません)。

  • 主な役割:食事(とくに脂質摂取)に合わせ、胆汁を濃縮・貯蔵し小腸へ放出して脂質吸収を助ける。

症状と関連痛

胆嚢の関連痛領域1

  • 関連痛

    • 前面:右上腹部に限局した痛み。

    • 後面:右背部~腰部

    • ときに右肩~肩上部に響く(横隔膜を支配する**横隔神経[C3–5]**経由の放散)。

  • 自律神経支配:胸髄 T7–T10 由来の交感神経(内臓神経経由)、迷走神経、横隔神経知覚枝。

よくある疾患

  • 胆石(胆石症・胆嚢炎)

    • 胆汁成分が結晶化・凝集して石に。

    • 脂っこい食事後に右上腹部の疝痛(刺す/締め付ける激痛)、悪心・嘔吐。

    • 発熱・黄疸や痛みの持続があれば胆嚢炎/胆道感染を疑い至急受診。

  • 無石胆嚢炎:胆石がなくても細菌感染などで胆嚢に炎症を起こすことがある。

理学所見のポイント

  • マーフィー徴候:右肋骨弓下で胆嚢部を圧しながら吸気させると痛みで吸気が止まる→陽性。

  • 黄疸:ビリルビン上昇で眼球結膜や皮膚が黄色化。胆道閉塞や肝疾患の重要サイン。

受診の目安(重要)

  • 右上腹部痛が食後に反復する/持続する

  • 発熱・悪寒、黄疸、嘔吐を伴う。

  • 右肩へ放散する強い痛み、呼吸で悪化する痛み。
    → これらは胆嚢炎・胆管炎など重症化のサイン。早期に医療機関へ。


よくあるQ&A

Q1. 胆石の痛みはどんなタイミングで出ますか?
A. 脂っこい食事の1–3時間後に右上腹部の疝痛として出ることが典型。数十分~数時間で改善することもあります。

Q2. 肩こりのような痛みでも胆嚢が原因になりますか?
A. 稀ですが、横隔神経経由の関連痛で右肩に違和感や痛みを感じることがあります。右上腹部痛を伴えば要注意です。

Q3. 自分で押して胆嚢の異常はわかりますか?
A. マーフィー徴候は目安になりますが、陰性でも胆嚢疾患は否定できません。症状があれば画像検査を受けましょう。

Q4. 予防にできることは?
A. 急激な体重変動を避ける/脂質とコレステロールの摂り過ぎを控える/適度な運動が胆汁うっ滞の予防に役立ちます。

Q5. 黄疸が出たら何を疑いますか?
A. 胆石による胆管閉塞や肝炎・肝内胆汁うっ滞など。至急受診して評価が必要です。


最終更新:2025-10-07