脾臓(spleen)は、腹腔左上方の深部にて、横隔膜の直下に位置しています。
左下肋部の腹膜内で、第9〜11肋骨の高さにあり、脾臓の下方は左横隔結腸ひだと接触します。
循環器系と免疫機能の2つの役割があり、前者では、古くなった赤血球を処理したり、血液量の調整に関与しています。
免疫機能の役割としては、脾臓に流れてくる血液の中の抗原に対して、脾臓内のリンパ球が反応して攻撃します。
脾臓の大きさは、長さ10〜12㎝、幅6〜7㎝、厚さ3〜4㎝、重さ150〜200グラムほどです。
腎臓と形状がよく似ており、そら豆にちかい形をしています。
脾臓に送り込まれる血液量は毎分約300mlで、処理される赤血球は1日約20グラムにも及びます。
脾臓に問題がある場合は、T7とT8の横突起の間の、棘突起と横突起の尖端の中間に圧痛が出現します。(左側のみ)
前方にも圧痛点が現れる場合があり、その際は左第7肋骨と左第8肋骨の肋間隙で、肋軟骨にちかい部位に起こります。
脾臓の支配神経は、T5〜T9から出て大内臓神経を経由する交感神経系と迷走神経になります。
上の図は、脊髄神経における皮膚知覚の支配領域ですが、脾臓の場合は後方の左側に痛みが起こる可能性があります。