腓骨の場所と付着する筋肉について

腓骨(fibula)に付着する筋肉や各部位の名称について解説していきます。

腓骨の概要

腓骨は下腿の小指側に位置し、脛骨の外側に平行して位置する細い長骨です。骨幹部は三角柱状で軽い捻れがあります。

腓骨上端は脛骨と上脛腓関節を、腓骨下端は距骨と距腿関節(足関節)、脛骨と下脛腓関節を構成します。

腓骨に起始を持つ筋肉は8つに対して、停止を持つ筋肉は大腿二頭筋の1つのみです。そのため、腓骨は静的な骨としての役割が大きいといえます。

似たような特徴を持つ骨として骨盤や手根骨がありますが、これらはどちらも積極的に動かすというよりは固定への貢献度が高いです。

腓骨

各部位の名称と役割について

1.前面から見た腓骨
腓骨前面|部位の名称
2.後面から見た腓骨
腓骨後面|部位の名称
腓骨頭尖 【付着】外側側副靭帯
腓骨頭関節面 【関節】上脛腓関節
腓骨頭 【起始】ヒラメ筋の一部,長腓骨筋
【停止】大腿二頭筋
骨間縁 【付着】下腿骨間膜
腓骨体 【起始】前面:長趾伸筋の一部,長母趾伸筋,第三腓骨筋
【起始】外側:長腓骨筋,短腓骨筋
【起始】後面:後脛骨筋の一部,長母趾屈筋
外果関節面 【関節】距腿関節
外果 【付着】踵腓靭帯,前距腓靱帯,後距腓靱帯
外果溝 【通過】長腓骨筋・短腓骨筋の腱
外果窩 【付着】後距腓靱帯
上脛腓関節 【動き】足関節の屈曲・伸展(わずか)
下脛腓関節 【動き】足関節の屈曲・伸展、下腿の内旋・外旋(わずか)

腓骨に付着している筋肉

腓骨に起始や停止を持つ筋肉について掲載しています。各筋肉の詳細をみたい場合は筋名をクリックしてください。

腓骨に起始がある筋肉

筋肉 起始部
長腓骨筋 腓骨頭,腓骨の外側面の近位2/3,筋間中隔
短腓骨筋 腓骨の外側面の遠位1/2
第三腓骨筋 腓骨の下部前面
長母趾伸筋 腓骨前面の中央および下腿骨間膜
長母趾屈筋 腓骨後面の下方2/3,下腿骨間膜の下部,筋間中隔
ヒラメ筋 腓骨頭,腓骨と脛骨の間のヒラメ筋腱弓,脛骨後面のヒラメ筋線
後脛骨筋 下腿骨間膜,脛骨と腓骨の後面
長趾伸筋 腓骨前面の上部3/4,脛骨の外側顆,下腿骨間膜の上部,下腿筋膜,筋間中隔

※ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾伸筋は起始の一部を腓骨に持つ

腓骨に停止がある筋肉

筋肉 停止部
大腿二頭筋 腓骨頭

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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