腰椎屈曲症候群とは、腰椎屈曲が増強する姿勢(座位・車の運転・前屈)で痛みが強まる状態の総称です。
腰椎屈曲が減少する姿勢(立位・後屈)では症状が軽減・消失し、歩行も問題なく行える場合がほとんどです。
身体的特徴としては、ハムストリングスまたは大殿筋が短縮しているために股関節屈曲を制限し、代償的に腰椎屈曲が過剰に出現します。
腹直筋の短縮や脊柱起立筋群の延長を伴っていることが多く、スウェイバック姿勢または平背姿勢に発生しやすいです。
18〜45歳の若年者によく見られ、女性より男性に多く、急性の痛みとして現れやすいことが特徴です。
椎間板の膨隆やヘルニアを発生しやすい状態にあるため、スポーツ習慣者では股関節伸展筋群のストレッチは必須です。
スウェイバック姿勢は中年以降になるとコア筋の弱化によって腰椎の支持性を失い、変形性脊椎症や非構築性側弯症が発生しやすくなります。
腰椎の不安定性は立ち上がり時に疼痛が出現・増強するようになり、腰椎回旋症候群(腰椎回旋で痛み)を伴います。
腰椎回旋症候群は、腰椎の一分節が他の腰椎、胸椎、股関節の分節よりも過剰に回旋してしまうことが原因です。
そのため、治療では股関節伸展筋群および内外旋筋群のストレッチに加えて、コアトレーニングや腰椎モビライゼーションを実施していきます。
スウェイバック姿勢は骨盤(仙骨)が後傾していますが、大腿筋膜張筋などに硬さが存在すると腸骨は前傾します。
それは仙腸関節がカウンターニューテーション(仙骨の後傾と腸骨の前傾)している状態であり、緩みの位置になります。
仙腸関節が不安定になるとギックリ腰を起こすことにつながるため、スウェイバック姿勢の矯正が必要と考えられます。
ここでは治療の詳細は省きますが、以前に書いた記事を漁ってもらえると色々と書いてることもあるのでぜひ参考にしてみてください。