膝関節筋の概要
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膝関節筋は大腿四頭筋の中間広筋の深層から分岐する小筋で、**膝蓋上包(関節包の上部)**に停止します。
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仕事はただ一つ:膝伸展時に膝蓋上包を上方へ引き上げ、滑膜が**膝蓋骨と大腿骨間に挟まる(インピンジ)**のを防ぐこと。
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支配神経:大腿神経(L2–L4)/主な動作:膝伸展の補助(滑膜の巻き込み防止という機能的役割)。
基本データ
| 項目 | 内容 |
| 支配神経 | 大腿神経 |
| 髄節 | L2-4 |
| 起始 | 大腿骨骨幹下部前面(=中間広筋中央部深層から分岐) |
| 停止 | 膝蓋上包 |
| 栄養血管 | 大腿動脈系 |
| 動作 | 膝関節の伸展 |
膝蓋上包の動きと臨床ポイント
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膝を深く曲げると、膝蓋上包の後方膜が前方へ「キャタピラ状」に移動し、前方が伸びて屈曲を許容。
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炎症・癒着があるとこの滑走が失われ、屈曲制限や前面痛を招きます。
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関節水腫(関節に水が溜まる)時は、膝蓋上包が内圧でパンパンに張り、単純に長さ不足となって曲がりにくくなります。
よくある症状と評価のコツ
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膝蓋骨上方の圧痛、伸展終末域での前面のツッパリ・刺す痛み。
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伸展時に膝蓋骨の上方移動が乏しい/遅い場合、膝関節筋の収縮不全や上包の癒着を疑う。
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触診と滑走テスト:膝蓋骨周囲(とくに上縁)の皮下・深部の滑りを確認。ざらつき・引っ掛かりがあれば癒着所見。
リハビリの考え方
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炎症コントロール
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急性期は安静・冷却・圧迫・挙上(RICE)、必要に応じ装具やテーピング。水腫が強い時は穿刺は医師判断。
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膝蓋上包・周囲軟部の滑走回復
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膝蓋骨モビライゼーション(上・下・内・外方向)
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膝蓋上包のリリース:大腿四頭筋腱直下と膝蓋上脂肪体の前後層の滑走を意識して、つまみ上げ→前後左右へ微小スライド。
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大腿四頭筋全体、とくに中間広筋の硬結を丁寧に解消。
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膝関節筋の促通(四頭筋セッティングの質を上げる)
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膝伸展位で膝蓋骨を軽く頭側へ誘導しながら四頭筋セッティング。
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ポイント:膝蓋骨が“スッと上がる”感覚をフィードバック。ももの前が“ガチガチに力む”よりも滑らかな持ち上がりを優先。
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屈曲可動域の回復
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上包が緩む角度まで痛みを出さずに反復屈曲(ヒート後に実施が効果的)。
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ヒールスライド、座位での大腿の持ち上げ+膝屈曲などを段階的に。
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再発予防と機能回復
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スクワット等は可動域と滑走が回復してから。
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もも前だけでなくハム・臀筋・下腿も併せて強化し、膝前面の局所ストレス集中を避ける。
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自主トレ(基本メニュー)
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膝蓋骨モビライゼーション:力まず、皮膚が動く感覚で上下左右へ各10–15回。
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四頭筋セッティング改良版:膝下にタオルを入れ、膝蓋骨を軽く上へ誘導しながら5秒保持×10回、1日2–3セット。
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ヒールスライド:踵を引き寄せて屈曲、痛み手前で3秒保持×10回。
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※痛みや腫れが増える場合は回数/可動域を減らし、アイシングへ。
注意しておきたいこと
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術後・外傷後は癒着が進みやすい時期。早期から優しい可動域+上包の滑走ケアを習慣化。
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強い痛み・熱感・腫脹が持続、ロッキング感や膝崩れがある場合は医師へ再評価依頼(半月板・前面インピンジ等の鑑別)。
よくある質問(Q&A)
Q1. 膝蓋上包の癒着は自分で剥がせますか?
A. 軽度なら膝蓋骨の動かし運動と四頭筋セッティングで改善が期待できます。強い癒着や痛みが続く場合は専門家の徒手療法が有効です。
Q2. どのくらいで良くなりますか?
A. 炎症の程度と期間に依存しますが、数週〜数か月が目安。水腫や手術既往があると長引くことがあります。
Q3. スクワットはやっていい?
A. 痛み・腫れが落ち着き、膝蓋骨の滑走が回復してから。可動域の“端”で痛むなら可動域内で小さく深くを守って実施。
Q4. 前面痛の原因が膝関節筋かわかるサインは?
A. 膝蓋骨上方の圧痛、伸展終末での引っかかり感、四頭筋セッティングで膝蓋骨の上がりが悪いといった所見がヒントです。
Q5. 関節に水が溜まると曲がらない理由は?
A. 膝蓋上包内圧が上がり、上包が張って長さ不足になるため。まずは炎症・水腫のコントロールが先決です。
最終更新:2025-10-06


