① 足底腱膜炎
病態:足底腱膜の微細断裂に伴う炎症。
主なリスク:長時間立位、肥満(BMI≥30)、50代以降、扁平足、足関節背屈制限。
症状の核:起床直後の一歩目が鋭く痛い(夜間に癒合しかけ→荷重で再断裂)。
鑑別ポイント
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足底腱膜の近位付着(踵骨内側突起)圧痛が明瞭。
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つま先立ち・足趾背屈で痛みが増悪。
リハ・対応 -
負荷管理(歩行量・長時間立位の調整、硬い床を避ける)
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ふくらはぎ・足底の柔軟性回復(下腿三頭筋・足底腱膜ストレッチ)
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かかとカップ/アーチサポート、段階的荷重練習
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多くは3か月〜2年で自然軽快。難治例は体外衝撃波や手術を検討。
② 踵骨下脂肪体炎
病態:踵骨下のヒールパッドが圧縮ストレスで微細損傷。
症状の核:踵中央の圧痛・荷重時痛。足底腱膜の伸張では痛みが出にくい。
簡易鑑別
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踵中央を垂直に押圧→痛み再現(+)
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足趾背屈テストは陰性になりやすい
リハ・対応 -
安静/除圧が最優先。ヒールリフトやパッドで踵をやや高く(後方重心を是正)
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テーピングで脂肪体を踵下へ寄せて固定(クッション性↑)
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併存しやすい背屈・外反制限や屈筋支帯の硬さをリリース
③ 脛骨神経麻痺(足根管症候群を含む)
主な絞扼部:①足根管(距骨・踵骨+屈筋支帯のトンネル)②ヒラメ筋深層③母趾外転筋深層。
症状の核:足底の灼熱感・しびれ。内・外側足底神経領域に知覚障害。
鑑別ヒント
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足関節背屈・外反で増悪(足根管緊張)/内側果後方のTinel陽性
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**筋起因(②③)**なら関連筋の圧痛・緊張が目立つ
リハ・対応 -
原因筋(ヒラメ筋・母趾外転筋など)のリラクゼーション/筋膜リリース
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足根管由来なら内側ウェッジや背屈・外反可動域の改善で屈筋支帯のテンション軽減
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神経滑走は症状を再現しない範囲で実施
④ 底側趾神経麻痺(モートン病)
病態:深横足靱帯の下で底側趾神経が滑液包と靱帯に挟まれ絞扼。
症状の核:第3–4(時に2–3)趾間の電撃痛・しびれ/つま先靴・長時間立位で悪化。
鑑別ヒント
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前足部の側方圧迫で疼痛誘発(Mulder徴候)
リハ・対応 -
圧痛部より近位にパッドを置き、中足骨頭の荷重を後方へ逃がす
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靴の見直し(つま先幅・ヒール高・インソール)と立ち仕事のマネジメント
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前足部の屈筋群・足内在筋の柔軟性/協調性改善
かんたん鑑別チャート
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起床直後の鋭痛+足趾背屈で増悪 → 足底腱膜炎
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踵中央の直押しで激痛/伸張で痛まない → 踵骨下脂肪体炎
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足底のしびれ・灼熱感+内果後方Tinel → 足根管(脛骨神経)
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3–4趾間の刺す痛み+幅狭靴で悪化 → モートン病
よくある質問(Q&A)
Q1. 画像検査は必須ですか?
A. 多くは臨床所見で鑑別可能。しびれが強い/夜間安静時痛が続く/治療抵抗性なら画像や神経伝導で精査。
Q2. いつ運動を再開できますか?
A. 痛みが日常動作で再燃しない負荷から段階的に。腱膜炎・脂肪体炎は除圧が先、筋・関節の可動性回復が次。
Q3. テーピングとパッド、どちらが良い?
A. 目的が異なります。腱膜炎=アーチ支持、脂肪体炎=踵下クッション増強、モートン=中足骨頭の除圧を狙って選択。
Q4. しびれはリハだけで治る?
A. 足根管・モートン病は保存で改善する例が多い一方、進行性筋力低下や持続強度痛は手術適応を検討。
最終更新:2025-10-06



