足底の痛みの原因とリハビリ治療

足の裏(足底)の痛みの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。

①足底腱膜炎

足底の痛みの原因|足底腱膜炎

足裏を覆う腱膜様組織を足底腱膜といい、この部分が微細断裂にて炎症が起きている状態を足底腱膜炎といいます。

足底腱膜炎の発症因子としては、①長時間の立ち仕事、②肥満(BMIが30以上)、③50代以上、④扁平足、⑤足関節の背屈制限が挙げられます。

起床時の歩き始めに起こる痛みが特徴的で、これは寝ているときに断裂部が少し癒合し、それが引き伸ばされて再断裂することにより起こります。

治療方法としては、足底腱膜の微細断裂が原因としてあるため、まずは患部への負担を減らすことが必要です。

基本的に3ヶ月〜2年ほどで自然治癒しますが、難治性を示す場合は、手術療法や体外衝撃波療法などが適応となります。

 

②踵骨下脂肪体炎

足底の痛みの原因|踵骨下脂肪体炎

踵骨の下に存在する脂肪組織を踵骨下脂肪体といい、立位や歩行時などに踵骨にかかる負担を和らげるクッションの役割があります。

足底腱膜炎と症状は似ていますが、踵骨下脂肪体が原因の場合は、足底腱膜に伸張ストレスを与えても痛みは起こりません。

痛みは脂肪体に圧迫ストレスが加わったときのため、徒手的に強く押すことで痛みの有無を確認していきます。

治療方法としては、踵骨下脂肪体の損傷が原因としてあるため、まずは患部への負担を減らすことが必要です。

後方重心も圧を高めることにつながるため、ヒールやパッドなどで踵部分を上げることにより、荷重を前方に移すことも効果的です。

 

③脛骨神経麻痺

足底の痛みの原因|脛骨神経麻痺1

脛骨神経の主な絞扼部は、①足根管、②ヒラメ筋の深層、③母趾外転筋の深層の3つになります。

①は足根骨(距骨と踵骨)と屈筋支帯の間隙で、中を脛骨神経が通過しており、このスペースで圧迫を受けることで神経麻痺を起こします。

障害部位は内外の足底神経支配領域であるため、上図のように内・外側足底神経の支配領域に知覚障害を訴えます。

治療方法としては、②と③のように筋肉の過緊張などが問題なら、原因筋のリラクゼーションを図るようにします。

足根管での圧迫が原因なら、屈筋支帯が緩むように内側ウェッジを使用したり、足関節の背屈や外反の可動性を十分に確保します。

 

④底側趾神経麻痺(モートン病)

足底の痛みの原因|底側趾神経麻痺

脛骨神経が足底で内側足底神経と外側足底神経に分岐しますが、それらは指先の知覚を支配する固有底側趾神経に移行します。

その固有底側趾神経が何らかの影響で圧迫を受け、神経が麻痺した状態を底側趾神経麻痺(モートン病)といいます。

原因の多くは、固有底側趾神経が深横足靱帯の下方を通過する際に、下部の滑液包と上部の深横足靱帯に挟まれて麻痺が起こります。

治療方法としては、圧迫箇所より近位にパッドを貼付することにより、そちらで荷重を受け止めるようにして除圧を図ります。

また、靴が不整合や長時間の立ち仕事などが関与している場合も多いので、靴の調整や生活指導を行うことも大切です。

 


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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