鵞足の概要
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鵞足=脛骨近位内側に扇状に付着する縫工筋・薄筋・半腱様筋の総称。
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鵞足炎=これら腱と**内側側副靱帯(MCL)**がこすれ、腱(or 滑液包)に炎症が起きた状態。
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起こしやすい肢位:大腿骨内旋/下腿骨外旋/膝外反(=“ねじれ+ニーイン”)。
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最も関与しやすい筋は薄筋(股関節屈曲・内転、膝屈曲・外反、下腿内旋に作用)。
発生機序(なぜ痛くなる?)
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屈伸反復やラン・方向転換などで鵞足とMCLが擦過
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摩擦緩衝のための鵞足滑液包が刺激を受ける
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内外旋のねじれ+外反があると張力↑&圧迫↑ → 炎症・痛み
鑑別が超重要(見逃しやすい相手)
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MCL損傷:外反ストレステストで疼痛/動揺性。
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内側半月板:屈伸+回旋で関節内クリック/ロッキング。
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内側膝蓋支帯由来痛:膝蓋骨の外下方モビリティ低下を伴うことあり。
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下腿外旋症候群:下腿外旋位固定で鵞足張力↑。
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画像は超音波が実用的(腱・滑液包肥厚、血流増加)。
評価のフレーム:3つの推論
① 力学的推論(どのストレスで痛む?)
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増悪要因
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股関節内転モーメント↑:骨盤内方位、COM内方偏倚、対側骨盤下制、外転位荷重の崩れ
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膝内反モーメント↑:ニーイン(knee-in)、骨盤/COM/COPの内方偏倚
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膝内旋モーメント↑:大腿内旋×下腿外旋(同方向回旋ならモーメントは小)
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歩行・スポーツの疼痛出現局面(立脚前半/後半・着地・切り返し)を特定。
② 組織学的推論(どこが痛んでいる?)
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薄筋腱を筆頭に、縫工筋腱・半腱様筋腱、鵞足滑液包、MCL深層を触診・伸張痛で鑑別。
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併発しやすい大腿内側筋膜の滑走不全、内側広筋過緊張→内側膝蓋支帯硬化もチェック。
③ 時間的推論(どのステージ?)
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急性/亜急性/慢性を見極め、炎症所見(熱感・腫脹)と機械的因子を分離。
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器質的変化(肥厚・線維化・骨変化)に移行する前に負荷線の是正が肝。
リハビリ(段階別の実践)
急性期(痛み・腫れが強い)
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RICE(とくに相対的安静+クーリング)/外反ストレスを減らすテーピングまたはソフトブレース
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痛みなく動ける範囲でのROM、等尺性の軽い収縮(内転筋・ハムは痛み誘発を回避)
亜急性〜慢性期(原因の是正)
1. 力学ストレスの修正
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ニーイン/内旋の是正:
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中殿筋・小殿筋(外転/外旋)と**股関節伸展筋(大殿筋)**強化
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足部アーチ機能(過回内是正)— ヒールピボット、ショートフットなど
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ラン・着地フォーム:膝正中ライン維持、ケーデンス上げで一歩衝撃↓、接地幅をやや広く
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歩行:立脚中期の骨盤水平保持、COMの内方偏倚を抑える
2. 組織治療(痛源へのアプローチ)
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薄筋・縫工筋・半腱様筋の滑走改善/ストレッチ(痛み0–3/10で止める)
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鵞足滑液包周囲は圧迫や強摩擦を避けた穏やかなモビライゼーション
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併存する内側広筋過緊張や内側膝蓋支帯の軟部組織リリース
3. 筋機能再教育
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股関節主導のスクワット/ランジ(膝内側へ潰さない)
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片脚立位で骨盤水平・膝トラッキングのフィードバック
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実競技に合わせた切り返し・減速ドリル(膝正面・体幹前傾・股関節屈曲を強調)
4. 競技復帰指標(例)
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圧痛消失、片脚スクワット×10で膝アライメント良好
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痛みなく10–15分の連続ラン → スピード/距離段階的増量
セルフケアの核心
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ラン後 氷10–15分、内側ハム・内転筋の穏やかなストレッチ
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週2–3回の中殿筋・大殿筋強化(サイドブリッジ、モンスタウォーク等)
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靴/インソールで過回内を是正、坂・カンバ―路面は回避
よくある質問(Q&A)
Q1. 走ってもいい?
痛み0–3/10以内で翌日増悪がなければ短時間のジョグから。悪化するなら中断→負荷線修正を先に。
Q2. 電気治療やマッサージだけで治る?
一時鎮痛はあり得ますが、力学的原因を直さないと再発します。フォームと筋機能の再教育が本丸。
Q3. 注射や薬は必要?
炎症が強い時にNSAIDsや滑液包内ステロイドを選ぶことがありますが、運動療法と併用が前提。
Q4. いつ整形外科や画像検査?
安静+適切な介入で2–4週間改善が乏しい/夜間痛・発熱・急な腫脹/ロッキングがあれば受診・画像(US/MRI)検討。
最終更新:2025-10-05






