鎖骨の場所と付着する筋肉について

鎖骨(clavicle)に付着する筋肉や各部位の名称について解説していきます。

鎖骨の概要

鎖骨は胸骨と肩甲骨を連結するS字状の長骨で、内側端は胸骨と胸鎖関節を構成し、外側端は肩甲骨と肩鎖関節を構成しています。

古代中国では、鎖骨の後方に穴を空けて鎖を通し、囚人の脱走を防いだことから鎖骨と名付けられました。

鎖骨

各部位の名称と役割について

1.上方から見た鎖骨
鎖骨上面|各部位の名称
2.下方ら見た鎖骨
鎖骨下面|各部位の名称
肩峰関節面 【関節】肩鎖関節
【付着】肩鎖靱帯
胸骨関節面 【関節】胸鎖関節
【付着】前胸鎖靱帯,後胸鎖靱帯
肩峰端 【起始】三角筋前部
【停止】僧帽筋上部
胸骨端 【起始】胸鎖乳突筋鎖骨頭,大胸筋鎖骨部
肋鎖靭帯圧痕 【付着】肋鎖靭帯
鎖骨下筋溝 【停止】鎖骨下筋
円錐靭帯結節 【付着】烏口鎖骨靱帯(円錐靭帯)
菱形靭帯線 【付着】烏口鎖骨靱帯(菱形靭帯)

鎖骨に付着している筋肉

鎖骨に起始や停止を持つ筋肉について掲載しています。各筋肉の詳細をみたい場合は筋名をクリックしてください。

鎖骨に起始がある筋肉

筋肉 起始部
三角筋鎖骨部 鎖骨の外側1/3の前縁
大胸筋鎖骨部 鎖骨の内側半分
胸鎖乳突筋鎖骨頭 鎖骨内方の1/3

※三角筋、大胸筋、胸鎖乳突筋は起始の一部を鎖骨に持つ

鎖骨に停止がある筋肉

筋肉 停止部
鎖骨下筋 鎖骨下面の外側
僧帽筋上部 鎖骨外側1/3

※僧帽筋は停止の一部を鎖骨に持つ

鎖骨の持つ機能的役割

  1. 肩甲骨を支持して上肢が自由に動かせるよう上腕骨を躯幹から遠ざける
  2. 筋の付着できる骨格を与える
  3. 血管および神経を保護する
  4. 烏口鎖骨靱帯を介し僧帽筋の肩甲骨支持力を与える
  5. 肩甲骨の可動性を増す

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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