抗重力姿勢・抗重力筋とは
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抗重力姿勢:立位・座位など、重力に抗して体を支える姿勢。
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抗重力筋:その姿勢維持に働く筋(例:脊柱起立筋群・多裂筋、臀筋群、下腿三頭筋、頸伸筋群など)。
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正常立位では重心線は足関節やや前方を通り、後方の主要姿勢筋が適度に働いて体幹を直立に保つ。
姿勢タイプと典型的な破綻パターン
1) 緊張姿勢(ロードシス寄り)
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所見:骨盤前傾+腰椎前弯↑、重心線は相対的に後方、後方筋の過緊張。
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よくある訴え:筋筋膜性疼痛(腰背部の張り・コリ)。
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足部:ハイアーチ化しやすく外側荷重増。
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要点:過活動筋のトーンを落とす+不足する腹横筋・多裂筋の協調を作る。
2) 弛緩姿勢(スウェイバック寄り)
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所見:体幹・骨盤が前方偏位、胸椎過後弯/骨盤後傾気味、筋活動は低下。
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安定化の代償:靱帯・関節包・椎間関節の“寄り(接近位)”で支える → 椎間関節障害や関節性疼痛が出やすい。
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足部:フラットアーチ化・前足部荷重。
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要点:抗重力筋の再活性(臀筋・体幹)と立位での重心再学習。
重要:診察時の静止立位が“きれい”でも、夕方や作業後の崩れで症状が出る例が多い。発症時間・誘発姿勢を必ず聴取。
評価のコツ(すぐできる3点)
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症状時間軸:朝は軽い/立ち仕事の夕方に悪化=抗重力筋疲労の関与が濃厚。
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荷重痕跡:靴底の摩耗(外側=過回外/内側=過回内)、足アーチ(ハイ or フラット)。
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簡易ライン:耳孔—肩峰—大転子—膝前—外果やや前に重心線が通るか。
介入の指針
ロードシス寄り(緊張姿勢)
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リリース:腰背部の過緊張(脊柱起立筋・腸腰筋の軽伸張)。
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安定化:腹横筋ドローイン→多裂筋協調→デッドバグなど“低負荷・呼吸同調”。
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足部:外側荷重是正、トライポッド接地(母趾球・小趾球・踵)。
スウェイバック寄り(弛緩姿勢)
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再配列:立位で胸郭をわずかに前上、骨盤を軽前傾へ戻すキュー。
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筋強化:大殿筋・中殿筋後部/僧帽下部・前鋸筋、ヒップヒンジ練習、ウォールスライド+プラス。
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足部:前足部過荷重の是正、必要によりインソールで後足部コントロール。
生活アドバイス
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長時間同一姿勢を避け、60分ごとに30–60秒の“姿勢リセット”(胸椎伸展・骨盤ニュートラル確認)。
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作業面・椅子の高さを調整し、骨盤が立つ座位を作る。
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痛みが靱帯・関節由来なら、反復の最終域保持や反り頼みの姿勢は控える。
よくある質問(Q&A)
Q1:自分がどちらのタイプか分かりません。
A:夕方に腰の関節っぽい痛み+前方体幹=スウェイバック傾向。日中から筋の張り・反り腰=ロードシス傾向。靴底/足アーチ所見も参考に。
Q2:コアを鍛えれば全部解決しますか?
A:コアは土台ですが、肩甲帯・骨盤帯・足部の配列も同時に整えないと再発しやすいです。
Q3:足のアーチは上げれば良い?
A:タイプ次第。ハイアーチはさらに上げない、フラットは支持を追加。画一的なアーチサポートは避けましょう。
Q4:仕事柄ずっと立ちっぱなしです。
A:マイクロブレイク(1分の姿勢リセット)と荷重交替、軽いヒップヒンジをこまめに。必要なら軽度のサポートソールも検討。
最終更新:2025-10-08
