頸椎椎間板症の概要
- 頸椎屈曲時の負担を受け止める主な組織で、圧潰(膨隆)を起こしやすいのはC5/6間とC6/7間である
- 椎間板は軟骨であるため原則的に神経はないが、線維輪辺縁部には自由神経終末が存在する
- 椎間板後方に放射亀裂が発生し、そこから損傷部に血管および神経が侵入して線維輪を修復する
- 支配は脊髄洞神経(左右)主体のため、痛みが中央〜広範になりやすい。
好発パターンと姿勢
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ストレートネック/下位頸椎屈曲の人に多い。背景に頭部前方位+胸椎後弯の乏しさ。
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腰椎の椎間板症も同居しやすい(屈曲パターンの共有)。
鑑別のコツ(臨床で迷わない)
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椎間板性頸痛:頸部中央に手のひらを当て「この辺り」。屈曲で悪化しやすい。体表圧で再現しにくい。
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椎間関節障害:指先で一点を示すことが多い。伸展・側屈で悪化しやすい。圧痛で再現しやすい。
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神経根症:皮膚分節に沿う放散痛・感覚運動所見を伴いやすい。
画像診断
- 単純X線写真
- MRI画像
リハビリの柱(実践ロードマップ)
1) まず“内圧を上げない”生活指導
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うつむき持続作業を分割(25–30分毎にリセット)。
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下を見るときは頸だけで曲げず、胸椎から軽く屈曲→負担分散。
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作業面は目線を15–20°下に設定、スマホは持ち上げる。
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痛みが強い時期は頸椎カラー短期使用で屈曲運動の暴露を制限(漫然使用は不可)。
2) 生理的弯曲を取り戻す可動域練習
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座位セットアップ:腰椎は軽い前弯、胸椎は軽い後弯を作る。
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その姿勢で下位頸椎の軽い伸展→5秒保持×10回(痛み増悪なしの範囲)。
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併せて胸椎モビライゼーション(椅子背+両上肢挙上での胸椎伸展/丸める屈曲)で頸の過屈曲代償を減らす。
3) 筋の再教育(低負荷・頻回・フォーム厳守)
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頸深層屈筋(DCNF)活性:仰臥位・枕薄め、顎を軽く引いて首を長くする“チンタック”保持 5–10秒×10。
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下位頸椎伸展筋の協調:うつ伏せで額にタオル、首を長くしてごく軽く上向き(代償で肩がすくまない範囲)。
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肩甲帯安定化:前鋸筋プッシュアッププラス、僧帽筋下部のYレイズ。→頸の負担分散。
4) 休憩=“除圧”の活用
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昼寝(仰臥位)や背もたれでリクライニング:椎間板含水を回復しやすい。
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デスクでは背当て+頭部支持(短時間)もOK。
5) 痛み管理
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炎症期は痛み0–2/10内で運動調整。
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温熱・末梢循環の改善は有効だが、症状が拍動性に増悪する場合は過刺激。
ポイント:“頸だけ”で曲げない・反らさない。胸椎とセットで使うと内圧が上がりにくい。
よくある質問(Q&A)
Q1. マッサージでよくなりますか?
A. 一時的に楽でも原因は“屈曲偏重の使い方”。動作と座り方の修正が最優先です。
Q2. 枕は高い方がいい?
A. 高すぎると頸屈曲が増し内圧↑。仰臥で鼻先がやや下がる程度の高さ+肩まで支える形状が無難。
Q3. どの程度で改善しますか?
A. 生活動作の修正は即時効果も出ます。運動療法の定着は数週〜数か月が目安。
Q4. 仕事で下を向くのが避けられません。
A. 作業面の嵩上げ・スタンド・タスク分割・タイマーで暴露時間を管理。胸椎から曲げる習慣を徹底。
Q5. しびれが出たら?
A. 安静肢位での増悪や進行する神経症状は医師へ相談。神経根症・脊髄症の鑑別が必要です。
まとめ
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頸椎椎間板症は屈曲偏重の姿勢・動作で悪化。
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介入は姿勢教育→弯曲再構築→頸深層&肩甲帯の再教育の順で。
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胸椎をよく動かし、頸だけで作業しないことが最大の再発予防。
最終更新:2025-10-08






