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FIMの評価方法について詳しく解説(評価表のダウンロード)


日常生活動作(しているADL)の評価法として、最も活用されている機能的自立度評価表(FIM)の採点方法についてまとめています。

FIMの概要

FIM(Functional Independence Measure)は、介護者の負担度を評価することに優れた方法で、最も信頼性と妥当性が高い検査です。

食事などの日常動作に関する項目が13個、会話などの認知機能に関する項目が5個、計18個の項目から構成されています。

各項目は1点から7点の七段階評価で採点され、合計の最低が18点、最高が126点となります。

一週間以内にFIMの得点が10点以上低下するような場合は、急性増悪とみなせるとされています。

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①食事

食事が用意された状態から、①食事の準備、②口に運ぶ動作、③咀嚼、④嚥下を含めた食事動作を評価する。配膳や下膳は含まず、箸を使わなくても減点にはならない。(箸の使用はスプーンやフォークに比べて難しすぎるため)

食事の準備には、エプロンをかける、その場で食べ物を切り分ける、食べこぼしの後始末などが含まれる。配膳前の調理場でやわらかな食形態にすることは、採点場面外の出来事なので含まれない。

点数 内容
7点 すべての性状の食物を皿から口まで運び、咀嚼して嚥下できる
6点 時間を要す(通常の三倍以上),自助具を使用,部分的に非経口的栄養に頼るが準備は自立
5点 準備や監視を要す,自助具の装着介助,運ばれた後で食べ物をきざんでもらう
4点 食事動作の75%以上を実施
3点 食事動作の50%以上75%未満を実施
2点 食事動作の25%以上50%未満を実施
1点 食事動作の25%未満しか行えない

例外として、経管栄養管理の場合は、栄養注入を自分で行っている場合は自助具の使用のみで6点とする。全面的に介護者に頼っている場合は1点となる。

最後に食器に残った食べ物をかき集めてもらったり、誤嚥を防ぐためのアイスマッサージなどを介護者が行う程度の状態は最小介助として4点となる。

②整容

整容の範囲は広いため、一般的には、①口腔ケア、②整髪、③手洗い、④洗顔、⑤髭剃り・化粧の五つの要素に限定してから採点を行う。そのため、爪切りなどの項目は除外される。

5つのうち、3つが自立しているなら60%を実施しているので3点となる。各要素が「自立」と「介助」で明確に区別することが望ましくない場合は、全体で本人がしている割合により採点する。

点数 内容
7点 すべて自立
6点 時間を要す,自助具を使用
5点 準備や監視を要す,自助具の装着介助
4点 整容の75%以上を実施
3点 整容の50%以上75%未満を実施
2点 整容の25%以上50%未満を実施
1点 整容の25%未満しか行えない

③清拭(入浴)

清拭では、風呂おけやシャワー、スポンジ浴、ベッド浴にて、首から下(頭と背中は除外)を洗う動作を評価する。

身体は10ヶ所(①胸部,②左上肢,③右上肢,④腹部,⑤左大腿,⑥右大腿,⑦左下腿,⑧右下腿,⑨会陰部前面,⑩臀部)に分けて考える。

例えば、①②③の洗う動作は自立しており、その他は介助を要す場合は30%が自立していると採点できる。

点数 内容
7点 身体を洗い、乾かすことが自立している
6点 時間を要す,自助具(柄付きスポンジ,ループ付きタオル)を使用
5点 準備や監視を要す,自助具の装着介助
4点 清拭動作の75%以上を実施
3点 清拭動作の50%以上75%未満を実施
2点 清拭動作の25%以上50%未満を実施
1点 清拭動作の25%未満しか行えない

④更衣・上半身

腰より上の更衣および義肢装具の装着を評価する。服をタンスに出し入れする動作も採点に含まれる。ただし、入浴前後の着脱に関しては含まれない。

採点の際は、①かぶる、②片袖を通す、③もう一方の手を通す、④衣服をひきおろす、という4つの動作に分けると理解しやすい。

例えば、①②の動作は自立しており、③④は介助を要す場合は50%が自立していると採点できる。

点数 内容
7点 衣服を取り出すことを含めた衣服の着脱が自立している
6点 時間を要す,自助具(改良した衣服)を使用
5点 準備や監視を要す,自助具の装着介助
4点 更衣動作の75%以上を実施
3点 更衣動作の50%以上75%未満を実施
2点 更衣動作の25%以上50%未満を実施
1点 更衣動作の25%未満しか行えない

⑤更衣・下半身

腰より下の更衣および義肢装具の装着を評価する。服をタンスに出し入れする動作も採点に含まれる。ただし、入浴前後の着脱に関しては含まれない。

採点の際は、①ズボン、②パンツ、③靴下・靴の3つの動作に分けると理解しやすい。

例えば、①②の動作は自立しており、③は介助を要す場合は66%が自立していると採点できる。

点数 内容
7点 衣服を取り出すことを含めた衣服の着脱が自立している
6点 時間を要す,自助具(改良した衣服)を使用
5点 準備や監視を要す,自助具の装着介助
4点 更衣動作の75%以上を実施
3点 更衣動作の50%以上75%未満を実施
2点 更衣動作の25%以上50%未満を実施
1点 更衣動作の25%未満しか行えない

⑥トイレ動作

衣服の着脱、排泄後の清潔、生理用具の使用を評価する。採点の際は、①ズボンなどを下げる、②ズボンなどを上げる、③お尻などを拭く、といった3つの動作に分けると理解しやすい。

例えば、①②の動作は自立しており、③は介助を要す場合は66%が自立していると採点できる。

時間帯や大小によって点数が異なる場合は、低いほうの点数を採用する。

点数 内容
7点 衣服の着脱、排泄後の清潔、生理用具の使用まで自立している
6点 時間を要す,自助具(改良した衣服)を使用
5点 準備や監視を要す,自助具の装着介助
4点 トイレ動作の75%以上を実施
3点 トイレ動作の50%以上75%未満を実施
2点 トイレ動作の25%以上50%未満を実施
1点 トイレ動作の25%未満しか行えない

⑦排尿

排尿コントロール、器具や薬剤の使用を含ぶ部分まで評価する。排尿に伴う衣服の着脱は含まない。

排尿に関しては、失敗(失禁)する頻度と介助量の両方を採点し、低い方の点数をつける。自己導尿している場合、尿捨ては評価に含まない。

人工透析を受けていて自尿がない場合は、介護負担はないので7点となる。

点数 内容
7点 準備も含めて自分のタイミングで排尿できる
6点 時間を要す,薬剤を使用,自助具(オムツや自己導尿)を使用
5点 準備や監視を要す,失敗は月1回未満,
4点 失敗は週1回未満の月1回以上,尿器の準備をしてもらうことで自立
3点 失敗は週1,2回程度,排尿と同回数の導尿を要す
2点 失敗は毎日,本人が失敗を減らす手伝いをしている,介助による導尿が多い
1点 失敗は毎日,本人が失敗を減らす手伝いをしていない,失敗はないが看護師による時間誘導で完全に依存している

⑧排便

排便コントロール、器具や薬剤の使用を含ぶ部分まで評価する。排便に伴う衣服の着脱は含まない。排便に関しては、失敗(失禁)する頻度と介助量の両方を採点し、低い方の点数をつける。

座薬(緩下剤)を使用している場合は、月2回以下なら7点、それ以上なら6点とする。坐薬挿入が介助なら月2回以下で5点、それ以上なら4点とする。

排便動作の介助量の評価に用いる内容は、摘便や腹圧介助が含まれる。

点数 内容
7点 準備も含めて自分のタイミングで排便できる,坐薬の使用は自立で月2回以下
6点 時間を要す,薬剤を使用,自助具を使用,坐薬の使用は自立で月2回以上
5点 準備や監視を要す,失敗は1回/月未満,坐薬の使用は介助で週2回以下
4点 排便動作の75%以上を実施,失敗は月1回程度,坐薬の使用は介助で隔日または毎日
3点 排便動作の50%以上75%未満を実施,失敗は10日に1回程度
2点 排便動作の25%以上50%未満を実施,失敗は週1回未満,
1点 排便動作の25%未満,失敗は毎日

⑨ベッド・椅子・車椅子への移乗

ベッド、椅子、車椅子の間での移乗のすべての段階を含む。歩行が主な移動手段なら起立動作を含む。

採点範囲は、臥位から椅子または車椅子に乗る動作全体で、その往復を含めて評価する。主な部分は移乗であるため、ベッドからの起き上がりは採点の比重としては少ない。

移乗がしやすいように車椅子の位置を整えることは準備動作に含まれる。

点数 内容
7点 装具や手すりが不要で自力で移乗している
6点 時間を要す,手すりなどを使用
5点 準備や監視を要す
4点 移乗動作の75%以上を実施,転倒リスクに備えて軽く触れる程度
3点 移乗動作の50%以上75%未満を実施,軽く引き上げる
2点 移乗動作の25%以上50%未満を実施,しっかりと引き上げる
1点 移乗動作の25%未満しか行えない,全介助,二人介助

⑩トイレ移乗

便器へ(から)の移乗を評価する。採点方法は前項の「ベッド・椅子・車椅子への移乗」と同じで、トイレはポータブルトイレでも構わない。

点数 内容
7点 装具や手すりが不要で自力で移乗している
6点 時間を要す,手すりなどを使用
5点 準備や監視を要す
4点 移乗動作の75%以上を実施,転倒リスクに備えて軽く触れる程度
3点 移乗動作の50%以上75%未満を実施,軽く引き上げる
2点 移乗動作の25%以上50%未満を実施,しっかりと引き上げる
1点 移乗動作の25%未満しか行えない,全介助,二人介助

⑪浴槽移乗

浴槽、シャワー室へ(から)の移乗を評価する。浴室の入口から浴槽のそばまで動いてくることは浴槽移乗の範囲外である。

移乗の往き帰りで得点が異なる場合、同じ動作のなかでの日内変動とみなして、低い方の点をつける。

点数 内容
7点 装具や手すりが不要で自力で移乗している
6点 時間を要す,手すりなどを使用
5点 準備や監視を要す
4点 片足をまたがせる介助が必要
3点 両足をまたがせる介助が必要
2点 しっかりと引き上げて移乗させる
1点 全介助,二人介助,機械浴利用

⑫歩行(車椅子)

屋内での移動能力を評価する。立位の状態では歩行、坐位の状態では車椅子の使用を示し、最も頻繁に行う移動手段を採点対象とする。

入院時と退院時に移動手段が変化する場合は、比較のために退院時の手段を入院時にも当てはめる必要があるため、記録としては、歩行と車椅子の両方の点数を残しておくとよい。

点数 内容
7点 自立
6点 自立,補助具(杖や車椅子)を要す
5点 監視,短い距離なら自立(15~49m)
4点 介助量が25%以下,50m可能
3点 介助量が25%以上,50m可能
2点 介助量が75%以下,15m可能
1点 介助量が75%以上

⑬階段昇降

12段の階段昇降を評価する。段数が足りない場合は続けて往復することで12段を昇降してもらう。

エレベーターや階段昇降機は補助具としては捉えられていないので、それらで昇降が自立していても採点は未実施(1点)となる。

点数 内容
7点 自立
6点 自立,補助具を要す
5点 監視
4点 介助量が25%以下,12段可能
3点 介助量が25%以上,12段可能
2点 介助量が75%以下,4段可能
1点 介助量が75%以上,危険が高く未実施

⑭理解

聴覚または視覚によるコミュニケーションの理解を評価する。あくまで言葉の理解が対象であり、その後に物事を正しく判断するかどうかは含まない。

基本的には、相手に話しかける時にどれくらいの手間(言い直す必要性)があるかを評価する。

定量的には評価するには、わかりやすい言葉に言い直す必要がある場合は4点、二語文なら理解できる場合は3点、一語文のみの理解なら2点とする。

点数 内容
7点 問題なし
6点 環境調整にて問題解決は可能
5点 90%以上は理解可能
4点 75%以上は理解可能
3点 ,50%以上75%未満は理解可能
2点 25%以上50%未満は理解可能
1点 25%未満

⑮表出

言語的または非言語的表現による表出を評価する。

定量的に評価するには、10回同じような基本的欲求に関する会話をした時、その内の何回に言い直しが必要だったかをみる。

10回中5回は聞き直す必要があるようなら50%で3点となる。

点数 内容
7点 問題なし
6点 環境調整にて問題解決は可能
5点 90%以上は理解可能
4点 75%以上は理解可能
3点 ,50%以上75%未満は理解可能
2点 25%以上50%未満は理解可能
1点 25%未満

⑯社会的交流

他社やスタッフなどとの交流、社会的状況への順応を評価する。具体的には、迷惑行為などがないかを確認していく。

迷惑行為とは、暴力や暴言、車椅子での暴走、過剰な泣き笑い、集団ゲームに参加しない、訓練を拒むなどが挙げられる。

点数 内容
7点 問題なし
6点 環境調整にて可能
5点 90%以上は可能
4点 75%以上は可能
3点 ,50%以上75%未満は可能
2点 25%以上50%未満は可能
1点 25%未満

⑰問題解決

日常生活上での問題解決、適切な決断能力を評価する。

必ずしも自分の力で解決する必要はなく、人に頼む事で問題を解決できるならそれは自立とみなされる。

点数 内容
7点 問題なし
6点 環境調整にて問題解決は可能
5点 90%以上は可能
4点 75%以上は可能
3点 ,50%以上75%未満は可能
2点 25%以上50%未満は可能
1点 25%未満

⑱記憶

日常生活に必要な情報の記憶を評価する。

ここで評価する記憶とは、①よく会う人の記憶、②日課の記憶、③他人から依頼されたことを実行できる記憶の三つになります。

点数 内容
7点 問題なし
6点 環境調整にて記憶は可能
5点 90%以上は記憶
4点 75%以上は記憶
3点 ,50%以上75%未満は記憶
2点 25%以上50%未満は記憶
1点 25%未満しか記憶していない

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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