シンスプリントの概要
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繰り返し走跳で起こる脛骨内側の骨膜炎。
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圧痛は脛骨内側の中央〜遠位1/3に帯状に出現。
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X線は多くが正常、超音波で骨膜肥厚を確認できることがあります。
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基本はオーバーユース(使い過ぎ)が背景。まず負荷を下げて安静が最重要。
病態と特徴
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**オーバープロネーション(外反足)**や内反足でも、脛骨に付着する
後脛骨筋・長趾屈筋の牽引が増え、骨膜に反復ストレス→炎症。 -
近位連鎖も影響:内転筋群・内側広筋など大腿内側の過緊張は
筋膜連結(DFL)を介して脛骨骨膜ストレスを高めます。 -
痛みは運動開始時・運動中に増悪し、休息で軽快。進行すると安静時痛。
鑑別で必ずチェック
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脛骨疲労骨折(点状の圧痛・荷重痛が強い、画像で骨折線/骨膜反応)
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慢性下腿コンパートメント症候群(運動時の張り・しびれ、安静で素早く軽快)
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神経・血管由来痛 など
評価ポイント
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足部アライメント(内側縦アーチ低下、踵骨外反)
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走フォーム/距離・強度の急増、固い路面・シューズ摩耗
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股関節機能(殿筋群の弱さ、膝の外反制御)
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圧痛分布(帯状か限局か)と叩打痛の有無
リハビリ/保存療法
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負荷管理(最重要)
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ラン休止~量/強度/頻度を30–50%ダウン→痛み0–3/10で段階復帰。
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局所のケア
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後脛骨筋・長趾屈筋の筋膜滑走改善(下腿近位1/3内側後方を中心に)。
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脛骨内側の強い摩擦は急性期は避け、アイス/軽圧で鎮痛。
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アライメント修正
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内側アーチサポートのインソールを検討。シューズは安定性モデルへ。
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エクササイズ
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後脛骨筋・長趾屈筋のエキセン(チューブで内がえし抵抗/タオルギャザー)。
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腸腰筋・殿筋群の協調、内転筋・内側広筋の過緊張リリース。
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ヒラメ筋・腓腹筋の柔軟性回復。
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ラン復帰の目安
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日常生活で痛みなし→痛み0–2/10の範囲でジョグ5–10分から。
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48時間で痛みが残らなければ距離を週10%以内で増量。
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再発予防のコツ
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距離・強度・路面の三条件を同時に増やさない。
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週1–2回の脚筋力・足部トレを継続。
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シューズは走行500–700kmを目安に更新。
Q&A
Q1. 走っても大丈夫?
A. 痛みが0–3/10で走行中に悪化せず、翌日残らないなら可。悪化するなら即中止し負荷を戻します。
Q2. テーピングやサポーターは効く?
A. 内側アーチを補助するテーピングは疼痛軽減とフォーム維持に有効。ただし根本は負荷管理と筋機能です。
Q3. どれくらいで治る?
A. 軽症で2–6週。疲労骨折を合併すると8–12週以上。早期からの適切な休養と介入で短縮できます。
Q4. 画像は必要?
A. 典型例は不要。限局した強い圧痛/叩打痛や安静時痛がある、数週で改善しない場合は疲労骨折除外のため画像を。
Q5. 扁平足ですが必ずインソールが要りますか?
A. 痛みの再現性が内側アーチ崩れで増すなら有用。既製品で試し、必要に応じてカスタムを検討します。
最終更新:2025-10-07

