フラットバック(平背)の原因と治し方

フラットバックとは

フラットバックとは、次の特徴を呈する姿勢パターンです。

  • 骨盤:中間〜後傾(※個体差で前傾の例もあり)

  • 上位胸椎の屈曲(背上部が丸まりやすい)

  • 下部体幹の後方変位(骨盤〜みぞおちが後ろへ引ける)

痩せ型・長身の方に比較的多く、座位/立位で上位胸椎の屈曲が慢性的に続くと生じやすい。
また腸骨稜がベルトラインより ≥2 cm高い骨格所見では、構造的に腰椎前弯が減少しやすい。


腰痛との関係(なぜ痛む?)

  • 骨盤後傾+腰椎屈曲優位 → 椎間板圧が高まり、椎間板症・椎間板ヘルニアの素因に。

  • 脊柱の生理的弯曲が平坦化 → クッション作用が減り、微小ストレスの逃げ場が少なくなる。


改善の考え方(優先順位)

  1. 腰椎の伸展モビリティを回復(“丸め一択”からの脱却)

  2. 骨盤前傾コントロール(ニュートラル〜軽前傾を再学習)

  3. 多裂筋の協調・持久性を高める(過剰な脊柱起立筋代償を抑える)

  4. ハムストリングスの柔軟性を“骨盤主導”で回復

  5. 併せて 胸椎伸展 を取り戻し、腰の代償を減らす


具体的エクササイズ

1. 腰椎伸展運動(マッケンジー)

  • うつ伏せで前腕支持(肘を肩の下)→深呼吸し2–3分保持

  • 可能なら肘を伸ばしプレスアップ(痛み0–3/10の範囲)。息を吐きながら腰をたわませる。

2. キャット-カウ(選択的コントロール)

  • 四つ這いで骨盤前傾=腰椎伸展胸椎後弯=胸椎屈曲交互に。

  • 「腰は反る・胸は丸める」を分離して学習。

3. 多裂筋アクティベーション

  • 四つ這いで骨盤軽前傾を保ったまま、片腕+対側脚を挙上(バードドッグ)。

  • 腰が反り過ぎ/落ち過ぎない中間位で10回×2–3。

4. ハムストリングスのストレッチ(骨盤主導)

  • 長座で上体は曲げず、まず骨盤を前傾させるだけで伸張。

  • 「背中は長く・胸は前へ」。腰椎屈曲の代償を出さないことが最重要。

5. 座位保持の再学習

  • 骨盤を立てた座位で、脊柱起立筋の力みを減らし“腸骨筋で座る”感覚を習得。

  • デスクでは坐骨で座り、胸骨を軽く前上方へ。肋骨は前突させない。

※鋭い痛み、しびれ、夜間痛、既往疾患(骨粗鬆症・術後など)がある場合は医療機関で評価を受けてから実施。


よくある質問(Q&A)

Q1. 反り腰(ロードシス)と何が違う?
A. フラットバックは腰椎前弯が少ない/失われる型。ロードシスは前弯過多です。介入は前者が伸展の再獲得、後者は屈曲モビリティ+コアが中心。

Q2. まず何から始めれば?
A. うつ伏せ前腕支持(2–3分)→プレスアップ→四つ這い分離→バードドッグ、の順番が安全で効果的。

Q3. 前屈ストレッチはダメ?
A. 腰椎屈曲をさらに強める前屈は原則控えめ。行う場合も骨盤主導で、腰を丸めないフォームを徹底。

Q4. どのくらいで変化する?
A. 毎日5–10分を2–3週間続けると、立ち上がりの軽さ座位の楽さに変化を感じる例が多いです。


最終更新:2025-10-07