梨状筋の概要

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所在:殿部の深層にある洋ナシ状の筋。
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特徴:すぐ下(前下方)を坐骨神経が走るため、筋のこわばりや肥厚で神経を圧迫すると梨状筋症候群(殿部〜下肢後面の痛み・しびれ)を起こしやすい。
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作用:股関節外旋・外転。ただし股関節を90°屈曲すると内旋作用へと力学が変わる(重要)。
基本データ
| 項目 | 内容 |
| 支配神経 | 仙骨神経叢 |
| 髄節 | S1-S2 |
| 起始 | 仙骨前面(第2–4仙骨孔周囲)・仙骨結節靱帯の一部、仙骨翼 |
| 停止 | 大転子上端(上端/尖端の上縁) |
| 栄養血管 | 上殿・下殿動脈、外側仙骨動脈(個人差あり) |
| 動作 | 股関節外旋、外転(特に屈曲位) ※屈曲60–90°以降は内旋方向のモーメントが増える |
| 筋体積 | 53㎤ |
| 筋線維長 | 2.6㎝ |
| 速筋:遅筋(%) | 50.0:50.0 |
深層外旋六筋と“出力”の目安

深層外旋六筋=梨状筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋。
外旋トルクへの寄与は概ね 大腿方形筋 > 内閉鎖筋 > 梨状筋 … の順。
※梨状筋は外転にも働く点がユニーク。
梨状筋の触診方法
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腹臥位で膝を90°屈曲。軽く外旋・外転させると表層の大殿筋が弛緩。
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仙骨外側縁(S2レベル目安)に指腹を垂直に当て、大転子上縁へ向けて索状のコリを追う。
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坐骨神経を押すと「ビリッ」と不快な放散が出ることがあるので強圧は避ける。
ストレッチ方法

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腹臥位内旋ストレッチ:膝90°屈曲→足部を外側へ倒し股関節を内旋。20–30秒×3–4回。
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座位“片あぐら+前屈”:椅子で片脚だけ外旋(くるぶしを反対膝上)→軽く前傾。殿部の張りを感じる位置で20–30秒。
ポイント:股関節屈曲位では“内旋方向”が伸びる—力学の入れ替わりを利用。
筋力トレーニング

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チューブ外旋:足部前方にチューブを掛け、脛ごと回す意識で外旋。10–12回×2–3セット。
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代償を防ぐため、骨盤は正対・腰は反らせない。痛みやしびれが末梢へ広がる場合は中止。
トリガーポイント(TP)

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主訴:殿部深部のズキッとする痛み〜仙骨周囲の圧痛、坐骨神経走行に沿う大腿後面〜ときに下腿外側・足への放散痛(坐骨神経痛様)。
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誘因:長時間座位(とくに片尻・財布を入れたまま座る)、股関節内旋ストレス位での作業、ランニングや坂道歩行での股関節伸展+外旋の反復。
梨状筋症候群の要点

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坐骨神経の走路には解剖バリエーションあり:多くは梨状筋の下(タイプA)、まれに貫通(タイプB/Dなど)。貫通型は圧迫を受けやすい。
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症状:殿部痛、坐骨神経痛(大腿後面〜下腿外側〜足)。しびれ・灼熱感、長時間座位で悪化。
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セルフチェックの例:座位で患側の片あぐら+前屈で殿部深層が鋭く痛む/長座位で足を内旋させると殿部が強く張る、など。

坐骨神経の走行のほとんどはAタイプであり、梨状筋の下を通過しています。残りの10%は坐骨神経を貫通していたり、梨状筋の上を通過するといった特殊型になります。
梨状筋症候群においては、タイプBやタイプDといった梨状筋を貫通しているものに発生しやすい傾向にあります。
バレエ・ダンサーは、恒常的に股関節の外旋動作(名称:ターンアウト)が要求されるため、梨状筋症候群を発生しやすいことが報告されています。
仙腸関節との関係(臨床Tip)
左梨状筋の過緊張は仙骨が左へ傾斜し、遠位が右偏位するねじれを助長。仙腸関節痛様の訴えがあるときは梨状筋の評価は必須。
トリガーポイントがある人は座位持続が苦手で体重移動を頻繁に行う傾向。
Q&A
Q1. 梨状筋ストレッチで脚がしびれます。続けても大丈夫?
A. しびれや痛みの**末梢化(足側へ拡がる)**は中止サイン。姿勢・強度を下げるか、**別方向(骨盤を正面にして軽い前傾)**へ変更。改善がなければ受診を。
Q2. 痛みが“お尻だけ”と“脚まで”で対処は変わる?
A. お尻局所のみは筋由来が多く、ストレッチ+温めが有効なことが多い。脚まで広がる場合は神経症状の可能性があるため、無理な強圧は避け、短時間・低強度で。
最終更新:2025-10-20
