片頭痛の原因と治療について解説していきます。
片頭痛の概要
頭痛は大きく分けると、①筋骨格由来の頭痛(緊張性頭痛)、②神経血管由来の頭痛(片頭痛や群発性頭痛)に分類できます。
緊張性頭痛 |
片頭痛 |
|
痛みの場所 | 片側または両側 | 通常は片側 |
痛み方 | 圧迫、圧搾 | ズキズキ、刺す痛み |
活動への反応 | 不変 | 悪化 |
感覚性の付帯症状 | なし | あり |
徒手施術の目的 | 筋膜の緊張と感覚過敏の減少 | 頭蓋圧迫の低下 |
片頭痛は名前の通りに頭の片側が痛む状態で、心臓の拍動と同じリズムでズキズキとした脈打つ痛みが耳やこめかみ、目にかけて起こります。
多くの場合は、感覚性の付帯症状(吐き気、光線過敏症、音声過敏症、視覚障害)を伴います。
頭痛全体の8.4%を占めるとされており、女性では男性よりも4倍ほど発症しやすいことが報告されています。
通常、痛みは1ヶ月に数回ほど起こり、約8割の人は仕事に支障をきたし、重度な場合は身動きがとれずに寝込んでしまうこともあります。
片頭痛のメカニズム
片頭痛の根本的原因は議論されており、現在はまだ部分的に理解されているのみに過ぎません。
従来は片頭痛の激しい痛みは、脳血管の拡大と伸張で生じ、さらに髄膜と頭蓋内部の他の組織が圧迫されて生じると考えられてきました。
しかし実際は、血流増加が生じるのは片頭痛が起こる前だけであり、片頭痛が生じている間は正常またはやや低下しています。
このことから脳血管の拡張説は、議論の余地があると考えられます。
重度の片頭痛「群発性頭痛」
頭痛の中でも割合はとても少ないですが、最も激しい頭痛を起こす原因として群発性頭痛があります。
群発性頭痛も片側のみに発生する片頭痛ですが、その痛みは片頭痛の10倍ともいわれています。
頭痛は15分から長いもので三時間、数週間にわたって群発的に発生します。
群発性頭痛は血管性の要素があり、頭蓋血管の拡張が三叉神経を圧迫することで起こりますが、その根本的原因は不明です。
リハビリテーション
片頭痛に対する治療として、外耳(耳たぶ)を掴んだ状態で後外側に牽引し、頭蓋内部にある筋膜をリリースしていきます。
片頭痛は頭部を減圧することが有効とされており、外耳を引っ張ることで側頭骨を可動化し、減圧していく方法になります。