甲状腺の概要
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位置:気道(気管)前面。甲状軟骨の下で、左右葉が気管を“抱きこむ”ように付着。
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大きさ:内分泌腺としては人体最大クラスだが、重さは約 15g。
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分泌ホルモン:
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甲状腺ホルモン(T3・T4)…全身代謝を高める(体温・心拍・呼吸数・腸蠕動などが上がる)
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カルシトニン…腎からのCa排泄を促進し、血中カルシウムを下げる(骨吸収の抑制にも関与)
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副甲状腺(上皮小体)
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位置:甲状腺の裏面に通常4個付着(個数・位置は個人差あり)。
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分泌ホルモン:
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副甲状腺ホルモン(PTH; パラトルモン)…骨・腎・腸に作用し、血中カルシウムを上げる。
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カルシウムの神経・筋への影響
低Ca:神経筋興奮が高まり、**しびれ・テタニー(けいれん)**が出やすい。
高Ca:神経筋興奮が抑えられ、だるさ・脱力・意識障害など。
代表的な異常とサイン
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甲状腺機能亢進(バセドウ病など):動悸、暑がり、体重減少、手指振戦、寝汗、下痢傾向、眼球突出(例あり)
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甲状腺機能低下(橋本病など):寒がり、体重増加、むくみ、便秘、皮膚乾燥、嗄声、無気力
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副甲状腺機能低下:口唇・指のしびれ、筋けいれん(Trousseau/Chvostek徴候)
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副甲状腺機能亢進:口渇・多尿、腎結石、骨痛・骨粗鬆化、だるさ
要受診の赤旗:突然の激しい動悸や意識障害、けいれん、進行する嚥下困難・嗄声、首の急速な腫れや圧痛、発熱を伴う前頸部痛 など。
Q&A
Q1.首の前が腫れてきました。甲状腺の腫れでしょうか?
A.甲状腺腫大の可能性はあります。痛み・発熱・嚥下障害・嗄声があれば早めに受診を。エコーと血液(TSH・FT4/FT3)で評価します。
Q2.動悸と汗がすごいのは更年期? 甲状腺?
A.どちらも起こり得ます。甲状腺亢進では動悸・手指振戦・体重減少・暑がりが揃いやすく、採血でTSH低下+FT4/FT3高値が目安です。
Q3.血中カルシウムは何で上下する?
A.PTH(上げる)とカルシトニン(下げる)、加えてビタミンDが腸からの吸収に関与します。腎機能や薬剤(利尿薬など)も影響します。
Q4.食事で甲状腺は良くなりますか?
A.ヨウ素の過不足は機能異常の一因になり得ますが、疾患の治療は医療的評価が前提。自己判断のサプリ大量摂取は避け、主治医に相談を。
最終更新:2025-10-07


