短趾伸筋(extensor digitorum brevis)

短趾伸筋の概要

短趾伸筋の起始停止

足背外側の浅〜中層にある扇形の筋で、第2–4趾のMTP関節伸展を主に担い、PIP(DIP)伸展は伸筋腱膜を介して補助します。
第5趾枝は基本的に欠如(まれに存在)、逆に第4趾枝が欠如する個人差もあります。第5趾の伸展はEDL(長趾伸筋)が主役です。

基本データ

項目 内容
支配神経 深腓骨(腓骨)神経(外側終枝)
髄節 L5-S1
起始 踵骨上外側(足根洞付近)背側面、下伸筋支帯
停止 第2–4趾のEDL腱(趾背腱膜)/一部は基節骨底背側に連続
栄養血管 足背動脈
動作 第2–4趾のMTP伸展(PIP/DIP伸展は補助)

運動貢献度(順位)

貢献度 足趾伸展(第2-5趾)
1 長趾伸筋
2 短趾伸筋

触診のコツ

短趾伸筋の触診

  • 体位:長座または背臥位、足関節は中間位

  • 方法第2–4趾に軽い抵抗をかけて伸展させると、外側楔状〜第4中足骨背側扇形の筋腹が盛り上がる。

  • 鑑別:EDL腱は各趾の中央を縦走、EDBは外側から斜めに合流。**個体差(第4欠如/第5あり)**を想定して腱走行をたどる。


ストレッチ

  • 方法:踵を保持しつつ第2–4趾をゆっくり屈曲。足関節は軽い底屈で、強い背屈は避ける(EDLばかり伸びやすい)。

  • 時間:痛みのない範囲で20–30秒静止×2–3回


筋力トレーニング

  • アイソメ趾伸展:第2–4趾だけを上に反らす→指先に手指で軽抵抗をかけ3–5秒保持×反復。

  • 分離トレ:足関節は中間位を維持し、趾だけ伸展(背屈を入れすぎるとEDL優位へ逃げる)。


よくある質問(Q&A)

Q1:EDBはPIP/DIPも強く伸ばしますか?
A:主作用はMTP伸展PIP/DIPは伸筋腱膜を介して補助的に関与します(主役はEDL)。

Q2:EDLとの鍛え分けは?
A:足関節を中間位に固定し、第2–4趾のみ伸展を徹底。強い背屈を入れるとEDLが主役になります。

Q3:第5趾が全然動かない/腱が見つからない
A:EDBの第5趾枝は多くが欠如第5趾伸展はEDLが担うため、EDLの評価・トレへ切り替えを。

Q4:足背に“こぶ”のような膨らみがある
A:EDB肥大や緊張で足背に膨隆が見えることがある。腱腫・ガングリオン等との鑑別は専門評価を。

Q5:捻挫後に足背が張る
A:EDBの過緊張+EDL/第三腓骨筋の協調不全が多い。趾分離伸展背屈+外反の協調ドリルを少量頻回で。


最終更新:2025-10-07