第三腓骨筋(peroneus tertius)

この記事では、第三腓骨筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。

第三腓骨筋の概要

第三腓骨筋の起始停止

第三腓骨筋は長趾伸筋の一部が枝分かれしたもので、長趾伸筋の外側を走行しています。

長・短腓骨筋が外果の後方を通過するのに対して、第三腓骨筋は外果の前方を通過し、第5中足骨の背面に付着します。

そのため、長・短腓骨筋が足関節の底屈に作用するのに対し、第三腓骨筋は背屈と外反に作用します。

第三腓骨筋は、生まれながらに欠損している場合も多い筋肉であり、日本人の約5%には存在しないとされています。

基本データ

項目

内容

支配神経 深腓骨神経
髄節 L4-S1
起始 腓骨の下部前面
停止 5中足骨底の背面
栄養血管 前脛骨動脈
動作 足関節の外反(補助),背屈
筋体積 33
筋線維長 8.0
速筋:遅筋(%) 65.035.0

運動貢献度(順位)

貢献度

足関節外反

1 長腓骨筋
2 短腓骨筋
3 第三腓骨筋

第三腓骨筋の触診方法

足関節の外反に加えて第5趾の伸展を実施すると、腱の膨隆が第5趾の伸筋腱の外側で確認することができます。

触診する際は、第三腓骨筋が外果の前方を通過することを意識して触れます。

本筋は個体差が大きく、しっかりとした腱として触知できない場合も多いので、走行をイメージして触れることが大切です。

圧痛点と関連痛領域

第三腓骨筋に圧痛点(トリガーポイント)が出現すると、足関節の前方および外方に関連痛を起こします。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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