胃の位置と関連痛領域について図で解説

胃の概要

胃の場所

  • 位置:みぞおち〜左上腹部。上に肝臓、下に横行結腸。

  • 形と容量:「J」字の袋状で約1.4L。縦走筋・輪状筋・斜走筋が蠕動をつくる。

  • 役割:胃酸と酵素でタンパク質の消化殺菌、内容物を少しずつ十二指腸へ送る

  • 関連痛:前面は鳩尾(みぞおち)、背面は両肩甲骨下の中間に出やすい。

  • 神経:交感(T6–T9由来:大・小内臓神経)+迷走神経。デルマトーム上もT6–T9に一致。


胃の基本

胃の外観

胃の内観

食道から入った食物は胃で一時貯留され、強い蠕動運動で細かく撹拌・酸性化され、少量ずつ十二指腸へ送られます。
胃粘膜には酸から自身を守る防御機構(粘液・重炭酸・血流)があり、これが崩れると炎症や潰瘍の素因になります。

関連痛(リファードペイン)

胃の関連痛領域

  • 前面:鳩尾の差し込むような痛み・灼熱感。

  • 後面肩甲骨下角の内側〜その中間に鈍い痛み。

  • 肝臓が右寄りの関連痛を示すのに対し、胃は正中寄り左右対称的に感じることが多いです。

体表の圧痛点(補助的所見)

胃の圧痛点

  • 前胸部:左第5–6肋間、または第6–7肋間に圧痛が出ることあり。

  • 背部:左T5–T6横突起間の傍脊柱部に圧痛が出ることあり。
    ※いずれも診断確定所見ではなく補助所見。強い痛みや持続する症状があれば内科/消化器内科で評価を。

受診の目安(要チェック)

  • 吐血・黒色便、体重減少、繰り返す嘔吐、夜間も続く強い上腹部痛、発熱を伴う痛み。

  • NSAIDsの常用、強いストレスや飲酒・喫煙歴、ピロリ感染既往がある場合は早めに相談を。


Q&A

Q1. みぞおちが痛くて背中にも響く。胃が原因?
A. 胃由来の関連痛として説明可能ですが、胆道・膵臓・心疾患でも似た痛みが出ます。持続・増悪警告症状があれば受診を。

Q2. 空腹時にしみる痛みは胃酸過多ですか?
A. 可能性の一つですが、胃炎・潰瘍・機能性ディスペプシアなど鑑別が必要。自己判断の制酸剤連用は避け、医療機関で原因確認を。

Q3. 背中のコリが胃から来ることは?
A. あります。胃のT6–T9由来の入力が肩甲骨下の中間へ投射されることがあります。ただし筋骨格由来の痛みの方が頻度は高めです。

Q4. 生活でできる対策は?
A. 暴飲暴食・深夜食を避ける/カフェイン・アルコール・脂質の摂りすぎを控える/禁煙/十分な睡眠とストレス対策。症状が続くなら検査(ピロリ、血液、上部内視鏡)を。


最終更新:2025-10-07