姿勢×運動連鎖でみる「重心を整える筋」
ポイントは “どの平面で、どの方向に重心(CoG)を動かしたいか”。
連鎖がフルに頭部まで波及するケースはむしろ例外で、多くは“どこかの関節で相殺”して止まります。下の整理は臨床で使える目安としてどうぞ(関節角度や荷重条件で例外あり)。
矢状面(前後方向)—重心を前/後へ「戻す」主力
※先行入力(例:足関節背屈でCoGが前へズレる)に対し、どこで相殺するかは対象の可動性・筋出力・痛みで決まります。常に上まで“教科書的に連鎖”するわけではありません。
前額面(左右方向)—重心を左右へ「戻す」主力
視点:左側筋が収縮したら、左/右どちらにCoGが寄るか(=相殺方向)
※膝は本来“屈伸主体”で回旋/内外反は制動が役割。ぐらつきの止め方として理解。
水平面(回旋)—捻じれを「整える」主力
※体幹回旋は内腹斜筋は同側回旋、外腹斜筋は対側回旋が基本。
※股関節の回旋は**屈曲角度で作用が変わる筋(梨状筋・内転群など)**に注意。
姿勢矯正の基本と手順
-
アライメント評価:骨盤(前後傾/左右傾/回旋)、胸郭、頭頸位、足部支持。
-
筋の状態:短縮/トーン↑/圧痛/筋力。
-
ターゲット決定:
-
動かしたい方向に働く筋は強化(出力と立ち上がり改善)。
-
崩している方向に働く筋はストレッチ/トーン調整。
-
-
相殺ポイントの再設計:可動性が少ない関節を無理に使わず、使える関節で“短い連鎖”にまとめる。必要なら補装具・座面/足台調整も併用。
注意点(ここだけは忘れない)
-
なぜ崩れているか? 痛み回避・不安定性の代償・感覚低下・習慣…原因に適合した矯正のみが安全。
-
**“矯正すべきでない姿勢”**もある:痛み緩和位や骨変形の保護位を無理に正すと逆効果。
-
評価→微介入→即再評価で、重心/安定/痛み/可動性が良くなるかを毎回確認。
よくある質問(Q&A)
Q1. 矢状面が崩れた患者、どこから整える?
A. 足部–骨盤–頭頸の“三点”でCoGと支持の関係を最初に整え、次に相殺に使える関節へ筋アプローチ。
Q2. 前額面の不安定は中殿筋トレで十分?
A. 中殿筋は要。ただし足部(後脛骨筋/腓骨筋)と骨盤制御**が揃って初めて“持続的”に安定します。
Q3. 水平面の回旋癖が取れません。
A. 体幹斜筋の“カップリング”(左=左内斜+右外斜)を意識。股関節の角度依存の回旋筋も同時に整えましょう。
最終更新:2025-10-05


